イオンの株主総会2013年05月16日 15:00

イオン歴史館入り口
イオンの株主総会に行く。
株主総会は今年3回目。これまでは出掛けることはなかったのだが、行ってみると意外と発見がある。一番の見所は、社長が場をどのように掌握し、どのようなメッセージを発するかだ。前回は、花王だったが、新任の社長ではじめの頃は不慣れな感じもあったが、その後はすっかり場を自分のものとしたのはさすがだった。会社勤めは長いが、経験上、皆が皆そういう社長ではない。

イオンは有名な岡田氏だ。これまで知らなかったのだが、イオンは四日市で250年ほど前に創業した岡田屋が今に至るとのこと。ご本人の個性もあるのだろうが、商人としての自負にあふれるとはこんな感じか。消費増税転嫁法案への批判が報道されたが、戦前の経済統制の折り、ある商店が販売できなくなる贅沢品を安値放出して逮捕された例を挙げ、それに類する屈辱との発言があった。商家の長い歴史では、それが過去のことではないというのもたいしたものだが、時の政権に堂々と発言できるのも大店ならではである。ダイエーの経営についても歯に衣着せぬ厳しい発言があった。

女性の登用についての話は、報道とはニュアンスが異なるように思う。男女の採用は半々だが、幹部に登用する頃合いの10年が経つと、女性の比率は7%になるのだという。この失われる4割強の損失を何とかしたい、というのが趣旨のようだ。この7%から男性と同数の幹部を登用するのは、さすがに無理がある。そこをどうにかする、とのことだが、注視したい。

トップバリュー商品の話も多く出た。店頭の商品がトップバリューばかりになってつまらない、という話だ。実際、近所のイオンでも同じ感想を持っていた。質疑では、トップブランドや支持の厚い地元のブランドはなくさない、との回答があったが、実際は、トマトジュースでカゴメが姿を消したこともあった。近所のイオンは4月に改装があり、売り棚が大幅に拡張され、品数は一気に拡充された。このような取組を進めているのであれば、説明があっても良かった。低価格品の拡充と品揃えの拡充、両方必要とわかっていても、優先順位の判定はシビアなのが小売りの実情か。

写真は、イオンタワーに設けられた歴史館の玄関である。年表の他、折々の資料の展示がある。一般公開の有無はちょっとわからないが、一見の価値はある。江戸東京博物館の商家の展示と見比べると良いかも。