Microsoft Virtual Faculty Summit 20132013年07月16日 11:52

Bill Gates in Microsoft Virtual Faculty Summit 2013
日本時間で7月16日の午前1時から、Microsoft Virtual Faculty Summitが開催された。Microsoft Researchの研究報告会である。今回は、KeynoteがBill Gates氏。前回が3000名ほどの視聴とのことだが、今回はGatesの登場でもう少し多いかもしれない。
(http://www.computer.org/portal/web/computingnow/fs2013?lf1=593514864b288216090446a9955411)

会場の進行役から、今回のSummitの発表について簡単な紹介がある。全体を通してのテーマは、Big Data + Machine Learning + Cloud。Cloudを用いてBig DataからMachine Learningを用いて有益な情報を得る、と。どのくらいになるかわからないデータのためには、設備が柔軟なCloudは向くのだろう。新興国での活用についても触れていたので費用とインフラの点でも有益か。火災や渇水などの災害対策、遺伝子工学、量子コンピューティング、などのテーマが挙がる。

Gates氏は、弾丸トーク。MSのイベントはあまり経験がないので、相変わらずなのかはわからないが、よく話す。メリハリが少ないせいか、聞き取りにくい。まだまだ英語の修行は必要。MSの自動翻訳も役立たず。10分ほどのプレゼンのあと、Q&Aに。プレゼンは、自身の財団の取組についてがほとんど。人材育成と、疫病等により失われる命への取組について多く語っていた。いくつか気になったコメントを。

・企業は、大卒の能力に満足していない。オンラインで優れた大学の講義が聴講できるようになってきているが、ITの役割はそれに終わらないという。一人一人の学生が知識を身につけるその課程をフォローする仕掛けはまだできておらず、これから。米国で中途で断念する学生が多いことへの危機感の表れ。オンライン講義があれば、どこでも優秀な授業を受けられ、MITやスタンフォードがあれば、その他の大学は不要との極論もあるが、人はそれだけでは育たない、ということを認識しているのは、現場を見ている。

・Wearable Technologyの教育への価値を問われ、苦笑する。ちょっと思いつかないや。質問者は、Google Glassあたりを意識したのだろう。

・Washingtonや他の資産家に公益活動の励行を働きかけるべきとの問いには、頑張っていると。米国のように政府の他に、資産家が公益活動を行い補完関係にあるのは、多様な活動を支えることができる反面、資産家への危惧も根強いことを伺わせる。

・世の中の最大の課題は、との問いに対し、バイオテロや核テロ、と。国と国との戦争は抑止される仕組みができてきている、と。身近なところでは、疫病などによる死を挙げる。死亡率の高さが、出生率の高さを招き、それが貧困を招き、との悪い連鎖を懸念する。話しぶりからは、氏の財団の最大の関心事のようだ。