ルーンの杖秘録2014年01月26日 12:14


ルーンの杖秘録
ファンタジーをはじめに手に取ったのは、Ursula K.Le GuinのEarthseaの物語だったろうか。国内ではゲド戦記と訳されるが、違和感がある。戦記というと古くは平家物語、これまた少し古いが、田中芳樹のアルスラーン戦記、水野良のロードス島戦記、国や一族郎党が相争う構図というイメージだが、それとは違う。さて、Guinの次は、当然のようにJ.R.R.トールキンの指輪物語とホビットの冒険。軽く楽しいところでピアズ・アンソニイ、妖しく陰のあるところでタニス・リー、それから、デイビット・エディングス。

ここまできて、大御所で抜けていると気づいたのが、マイケル・ムアコック。ようやくシリーズの一つを読み終えた。奥付の日付をみると1989年。そんなに積ん読していた記憶は無いので、しばらく書店の棚で過ごしていたものか。原書は1960年代の出版、翻訳も1970年代なので、筋書きも文体もすこし古めかしい。いまなら、物語世界の描写が緻密になり、厚さも倍になっている。逆に言うと、展開に勢いがあり、読者に自由な想像の余地を残してくれるのは、新鮮。

本シリーズは、4冊。どれもそれほど厚くない。一冊あたり2,3日というところ。ラノベ(ライトノベル)なら2,3時間というところだが、そうはいかない。ラノベは文字数が少ないかと思い比べてみる。

・創元推理文庫 ルーンの杖秘録1 43文字×18行×260ページ、約20万文字
・電撃文庫 はたらく魔王さま1 42文字×17行×306ページ、約21万文字

あまり変わらない。ラノベの方が会話文が多く、地の文が少ないので、実文字数は少なくなるのかもしれないが、大差ないはず。物語の構成か、文体か、ページを繰らせる技術を尽くすのがラノベ足るゆえんかもしれない。まあ、本の求める自然なペースで楽しもう。