神を見た犬 ― 2014年08月19日 23:23
22編の短編。少し苦い物語たち。10ページほどのものから、50ページほどのものまで。書名になった「神を見た犬」は、その中で一番長いもの。聖人と一緒にいた犬は神に通じているとして、街中を歩きまわると、人々がその視線を意識せざるを得ないところから来る滑稽。
寓話と呼べそうなものから、なにげない一編、どこに連れて行くのかわからない一編まで。いろいろあるので、どれも気に入るという風ではないが、いくつかは心に刺さる。
8月という時節柄、「アインシュタインとの約束」はなかなか怖い。ファインマンの前にも現れたのだろうか。「マジシャン」は、作家に対して辛辣な物言いをする男が出てくる。少々まわりくどいが、少し勇気をくれる。
聖人が登場する話がいくつか。カトリックの聖人たちではあるが、どことなく、この国で言うところの偉いお坊さんに通じるところがあるのは、一つの発見。
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