エスケヱプ・スピヰド 完結2014年11月15日 22:56

シリーズで読んでいるライトノベルの多くは、ここ1年ほどで、あっという間に電子書籍対応になった。巻数も多く、場所を取るのでありがたいが、それだけ主たる読者であるティーン層にスマートフォンが普及したとも言えるのか。ただし、本シリーズは、電子書籍になっていない。

エスケヱプ・スピヰド 完結

七巻にて無事完結。手元の一巻が2012年10月の三版なので、ほぼ2年のおつきあい。最初は、歴史改変もののSFのつもりで手に取ったはず。確かに、舞台は昭和101年とあるが、史実に踏み込むことはない。昭和の雰囲気をもつ世界での架空戦記物といったところ。人を捨て兵器となったモノが、今ひとたび人に戻ってくる話。

技術は潔いほど荒唐無稽、それに比例して戦闘シーンの描写は勢いを増す。よくある説明口調はあまりなく、文体はきびきび。場面の展開は空間的、時間的にも自在。ヒロインは物語の鍵を握るが、主役は圧倒的に戦う大人の男たち(ヒロインのお相手は若いけど)。ライトノベルは、ずいぶんと裾野を広げているが、境界(先端?)に位置するシリーズではないかな。