益川さん、むじな沢で物理を語り合う2015年01月02日 23:27


益川さん、むじな沢で物理を語り合う

三部構成。第一部は、1995年の座談会の記録から。高校の物理教師をはじめとする教師や物理の愛好家といった面々(東京物理サークル)と民宿を場に語り合ったもの。第二部は、2009年のインタビューで、第一部以後をフォロー。第三部は、前二部とは少し外れ、数学や学生の頃の勉学について、上野健爾氏とのインタビューを収める。

おおよそ、全体の三分の二は、ノーベル賞受賞にも関連する素粒子理論について。残り三分の一は、学びや研究について。

素粒子理論については、座談会形式ということもあって、少々、とりとめはないが、専門家でない人からの質疑が、結構、的を射ていて、他の解説書などで腑に落ちなかった点が解消したりもする。この本だけでは完結しないので、あわせ読むのにいい感じ。

後者は、それこそ、とりとめもない話も多いが、研究者としての益川さんの姿がよく伝わってくる。

さて、ヒッグス機構で質量が出てくるしくみが、超伝導とよく似ている(70ページ)とのことなので、これから超伝導の本を復習する。