KAGRAが観測するイベント2015年11月21日 14:06

少し前、11月6日に大型低温重力波望遠鏡・KAGRAの第一期実験施設完成の記者会見があった。NHKのサイエンスゼロでも昨年番組があった。しかし、どんなイベントを観測し、重力波について何らかの結論めいたことを言えるようになるのはいつくらいなのか、よくわからない。

※記者会見

※サイエンスゼロ

数理科学2015年12月号 曲がった時空のミステリー

そこに今月の数理科学(2015/12)の特集「曲がった時空のミステリー」から、「間近に迫った重力波の直接観測(京都大学 中村卓史氏)」の記事。ここでは、2つのイベントが紹介されている。

1.連星中性子星の合体
重力波存在の間接証明のきっかけとなったパルサーPSR1913+16に似た連星パルサーは銀河系に3000個ほど。これだけあると合体イベントは10万年に一度くらい。地球から7億光年ほどの範囲には、銀河が10万ほどあるので、全部合わせると1年に一度くらい。

2.太陽質量の30倍程度のブラックホール連星の合体
年間70-140イベントとの予想。対象のブラックホールは、宇宙で初めてできた金属のない星の進化でできると考えられている。

KAGRAが7億光年以内の連星中性子星の合体を検出できる感度になるのは、2017年度。その前に米国のLIGOが2億光年以内の検出感度で2015年9月から観測開始。2019年には感度がKAGRAに追いつく。連星中性子星の合体の観測には、数年からそれ以上はかかりそう。2020年のオリンピックの頃には、朗報が聞けるか。それとも、見つからないことも今の理論の反証として意味を持つのか。

※KAGRA

※LIGOの観測開始

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