燃えたぎる石 ― 2016年06月26日 10:31
常磐炭田を開き、横浜開港に合わせ石炭販売を始め、咸臨丸にも卸した商人の話。小説化にあたり美化されている点もあろうが、なかなか男気のある人物。開国の前後、常磐地域の果たした役割の大きさを教えてくれる。物語自体は、テンポの良い語り口。反面、個々のイベントへの深掘りは少ない。江戸末期、なかなか史実を補強する文献等少ないのかもしれない。
舞台となる場所は、おおよそ、常磐線の四ツ倉から、夏井川を河口から遡り、いわき、内郷に掛けて。内郷の奥に、最初に石炭を見つけたみろく沢があり、いまは資料館がある様子。
※いわきヘリテージ・ツーリズム協議会のページ
それにしても、作中の攘夷の様子には、昨今の英国や米国の内向きの動向と、どこか既視感を覚える。目と耳を閉ざさずまわりをよく見聞きすること、自ら考え動くこと、それが状況を変える、本書はそう語るのだけど。
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