愛しのグレンダ2014年03月10日 10:04


愛しのグレンダ
SFマガジンの書評欄に、一般の文学を扱うコーナーがある。ときどき、ラテンアメリカの作品も取り上げられている。幻想味の濃い本作は、そこからのつながりで求めたように思う。短編としてはいくつか読むことはあったと思うが、まとまった一冊としてははじめて。「幻想」とはいっても、ファンタジー作品のようではなく、現実の生活の身近にある「それ」。ラテンアメリカの暗い時代を思わせる作品は、ここにある平和な今と対照的だが、世の中が浮かれはじめている時節柄、おなじ人間の表裏に過ぎず、いつ入れ替わってもおかしくない不気味さが読了感として残る。

気に入った一編は、グラフィティ。街角の落書きを通じて会話が進行する。

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