Windowsストアアプリ開発を始めてみる2014年05月23日 20:51

Windowsストアアプリの開発を始めてみる。作ったものを公開できる道が用意されているのはうれしい。AndroidやiOSと違って、商売という点では厳しいかもしれないが、言語の自由度が高く、デスクトップアプリにも生かせる。個人的には、C#が良さそう。

VMでの開発作業
開発環境は、VMware Workstation10上にWindows8.1の環境を設け、Visual Studio2013専用とする。SQL Serverなどいろいろセットアップされるので、普段使いの環境とは分けておきたい。Workstationをフルスクリーンで使ってもいいが、他にもVMがあるので、ここはリモートデスクトップで接続する。実際使い始めてみると、作業途中でサスペンドして、同じ環境から作業を再開できるのは重宝する。ブラウザやドキュメントの参照箇所を開いたままでいい。

Windowsストアへの道
MSの開発者向けサイトに「Windowsストアへの道」があるので、ここから始める。ストアアプリ開発のポータルになっている。

C#アプリの開発
ポータルの右側のメニューから「はじめに」を選ぶ。「基本」のコンテンツが表示されるが、用語説明のような内容であり、一読して頭に入る内容でない。ここで面倒になってやめる人が続出しそう。

ここは、飛ばして、2段目のメニューから「初めてのアプリ」に進む。開発言語を選ぶ画面になるので、「C#またはVisual Basic」を選ぶ。
左側にパート1から5に分けて、Windowsストアアプリ開発を例を元に手順を追って説明するコンテンツがならぶ。

Hello Worldアプリ
パート1から4までは、コンピュータ言語の世界の伝統というか、「Hello. world」アプリを作る。とはいえ、途中から、画像ファイルを選択して表示するアプリへと脱線していく。ここで、開発の雰囲気がつかめる。ただし、開発の経験は浅くても、オブジェクト指向言語の全般的な知識がないと理解が進まないかも。

Hello Worldビルド例外終了
サンプルのコードは画面から切り貼りできるので、コードを作成し、ビルドしてみる。ところが、例外が発生。調べてみると、開発者ライセンスを取得していないと、ビルドできない仕様。ひととおり、習得してからライセンス取得と考えていたが、最初に取得が必要。

開発者ライセンスの取得
ライセンス取得を促すダイアログを無視していたが、「同意します」をクリック。これで、ビルドが通るはず。手順としては、この前に、開発者アカウントを作成しておく。

開発者ライセンスの支払い
開発者ライセンスには、開発者アカウントが必要。現在、年額2000円弱。半額ほどに値下げされた。ただし、MSDNの特典で無償になるはず。同じMicrosoftアカウントに紐付けていても、そのままでは無償にならない。トークン(クーポン)を取得して登録する必要がある。

※開発者アカウントの料金(個人)

※MSDNサブスクリプションの特典

MSDN特典のトークン
トークンは、MSDNサブスクリプションのアカウントのページの中程、「Windows および Windows Phone 開発者アカウント」の欄にある「あなたの登録コード」が該当する。見つけにくいのが難点。

NAS上のソースは登録不可
今度こそ、ビルド。また、失敗。コードをNAS上に置いているのが原因。ローカルに置かなければならない。コードの共有には、Team Foundation ServerやNuGetの仕掛けが必要の様子。今後の課題。

シミュレータでのデバッグ実行
コードをローカルに移してビルド。今度こそ成功。VM上ではあるが、シミュレータによるデバッグもOK。

ブログリーダーの作成
「Hello, world」の次は、パート5 「ブログリーダーを作成する」。このサンプルは、Windows8用であり、コードにかなり手を入れないとビルドできない。そう、断りもある。C#の経験があれば、手頃な課題になるが、初めての人には厳しそう。開発者を増やしたいMSの意気込みは感じるが、コンテンツが追いついていない。それにしても、Windows8と8.1で、実装はそれなりに変わっていることを実感する。

シミュレータでのデバッグ実行 縦画面
修正は、やや不十分だが、ビルド成功。シミュレーションでは、縦型の画面の動作も確認できる。

ドキュメントロードマップ
次のコンテンツは、Windowsストアアプリのためのロードマップ。網羅的にストアアプリの要点が列挙されている。人によっては、ここから先に目を通す方がしっくりするかもしれない。

開発>方法>アプリの開発
ここまでで「はじめに」のタブはほぼ終了。次は、「開発」のタブのコンテンツがよさそう。2段目メニューの「方法」により詳細なコンテンツがある。

自信のある向きは、先に作り始めてもいいかも。その際は、「リファレンス」のメニューに言語やAPI仕様が収められている。

MS Virtual Academy
他には、Microsoft Virtual Academy:自習用の学習サイトがある。

※Windowsアプリ開発入門

ただし、コンテンツの質は玉石混淆。がっかりなものもあるので、期待はほどほどに。営業の強い業界のせいか、メッセージ性が重視され、誤解しかねないものもある印象。見かけの開発者を増やすには効果があるのかもしれないが、途中で失望して開発者が定着しないのでは逆効果。国内の開発力が伸張しないのは、このあたりにも要因が。

さて、精進を続けよう。