世良田の東照宮 ― 2014年10月01日 21:51
家光が日光の東照宮を壮麗に建て直すにあたり、もともとの東照宮は世良田に移築されたと聞く。群馬と少し遠いが、遠出にはよい季節でもあり、出掛ける。家康公はひたすら華美なものを求めた訳ではないとのことだが、どうだろう。
一帯は、歴史公園として整備されている。表通りに立つ案内の碑。
正門から入ったところからの全景。鳥居の向こうに拝殿が見える。拝観料は300円。宝物館の見学のほか、柵内に入り、拝殿と本殿を近くから拝むことができる。
拝殿の正面。日光同様、殿内には三十六歌仙の扁額が掛けられている。
拝殿の奥の本殿。
鉄燈籠。
歴史公園の一角には、新田荘歴史資料館。太平記の好きな方向き。ただ、史料が散逸しているのか、展示はやや寂しい。先に訪れた杉並区の郷土資料館の方が充実していた。それでも、猫好きには、新田猫絵は外せない。
入館料は200円だが、太田市内の4つの資料館、記念館の共通券だと300円とお得。一日に4館は無理だが、近くのもう1館を目指す。
道すがら、早川の土手を歩く。彼岸花がぽつぽつと。川面にはかるがもが群れをなして泳ぐ。
二館目は、縁切寺満徳寺資料館。満徳寺は、明治になって廃寺になったが、幕府公認の縁切寺であった。代々の徳川将軍の御位牌を納める寺でもあり、徳川ゆかりの品々も見所。
復元された本堂。ほかの建物は礎石のみが残されている。実際に上がって見学できる。
本堂には、御位牌を納める部屋も復元されている。こちら、家康公のもの。実物は資料館にて。
最寄り駅は、東武伊勢崎線の世良田。太田の少し先。駅前に無料のレンタルサイクルがあったが、今回は徒歩で。
駅探で往復の交通費を調べてみると、東武のフリーパス「ふらっと両毛」とあまり変わらない。フリーパスの方が途中下車もできてお得。船橋駅の改札脇の窓口にて、ブザーで駅員さんを呼び出しての購買。
フリーパスを購入すると、主要な街の案内図、フリーで利用できるバスの路線図と時刻表、特典を利用できるお店の一覧を記載したパンフレットをもらえる。有効期間が3日間というのも初めて知った。ホームページに記載がない。できれば、事前に入手して下調べをしておきたいところ。
閃の軌跡Ⅱ終了 ― 2014年10月20日 15:50
9月25日に発売された日本ファルコムの閃の軌跡Ⅱ。10月に入ってからそろそろはじめ、ようやくエンディング。
クエストをまめにこなしたり、アイテム集めをしていると、プレイ時間は100時間ほど。最近の軌跡シリーズでは、標準的。前作から、3DというかFPSスタイルというか、これまでのクオータービューのシステムから変わって、酔いやすい身にはちょっとつらい。
軌跡シリーズは、2004年に空の軌跡が登場してから10周年。登場時、思い切ったシステムと世界観の変更をしてきて、ずいぶんと驚き、魅了された。その後、プラットフォームは、PCからPSPを経て、VitaとPS3に。売り上げもユーザー数もずいぶん伸びていると思われるが、反面、ゲーム自体は総花的になり、最初からのユーザには魅力が減じてきている感は否めない。会社の看板を背負った対策の宿命といえばそう。もっと中核のシナリオに集中してくれるとうれしいのだが、いろいろなユーザの声に応えようとすると、そうもいかないのだろう。
軌跡シリーズに登場してきた主要な地域は4つ。そのうち、3つの地域でのお話が終わったことになる。また、裏で暗躍する結社と呼ばれる組織の計画は、3段階のうち二つが終了した模様。そうすると、残る1つの地域で次のお話が練られることになりそう。これまでの制作スケジュールからすると、2016年頃か。期待して待つ。PS4専用とかになると困っちゃうけど。
さて、最初、日本ファルコムのゲームを手に取ったのは、Xanadu。1988年のカタログを見つけたので、そのページから。当時、海外のRPGに圧倒されていた中で、いかに本格的なゲームを作るかが模索されていた中で生まれた一つの頂点。難しさ、複雑さが売り文句だった頃。
カラープリンタを入手して録った最後の決戦の前の一シーン(もしかするとXanadu2かも)。ゲーテを読んでいたのか、R.シュトラウスを聴いていたのか。この時は、さすがに手こずったのか、記録をどうしても残しておきたかった。
その後、行きすぎた難しさ、複雑さへのアンチテーゼを唱えたのがイース。今から見ると十分難しいが、各紙で画期的と評判された。絵とか会話を楽しむのはここから。それまでのRPGは、全てのマス目(マップ)を埋めるのに躍起になるような遊び方だった。このシリーズは、アクション性を売りに今も続く。イースⅢまではプレイしたが、その後はプラットフォームがゲームコンソールに移り、しばらく縁が切れた。ようやく戻ってきたのが、軌跡シリーズのはじまり。
高尾山 ― 2014年10月24日 19:29
久しぶりの晴れ空。高尾山に向かう。去年は、筑波山だった。初心者の挑戦する順番としては逆になってしまったか。前回の反省から、ザックとパンツを新調。ジーンズは汗で重くなり、登山に向かないことを学んだ。レインウェアはこの次。
京王の高尾山口。山に囲まれ、すっかり郊外駅の風情。
駅から道すがら進むと、薬王院の大きな碑。この右手が、登山道の一号路。最初なので、ここから攻める。
登山路は、舗装されていて快適なのだが、久しぶりのせいかペースがつかめない。平地のペースでは、すぐに荒い息。まわりは、幼稚園や小学校の遠足組がいっぱい。中国、韓国、ロシアの観光客の姿も目につく。そうこうするうちに、薬王院の最初の門に到着。
しばらく進むと高尾山の額を掛けた立派な山門。お堂で手を合わせて後、脇の道から山頂を目指す。
高尾山の山頂。約600m。駅が200m付近なので、400mほど昇ったことに。広場は、お弁当を広げる子供たちでいっぱい。歓声もいっぱい。
山頂の展望台からは、西側の眺望が開ける。こちらは、富士山のある方向。雲がかかり遠くの眺望は開けないが、爽やかな秋の空。
子供たちでいっぱいの山頂はそこそこに、奥高尾の道へ進む。こちらは、土の道。こちらの方が歩きやすいし、ペースもつかみやすい。ようやく登山らしくなってきた。
もみじ台付近。もみじは、うっすらと染まり始めた頃。
近くの広葉樹は落葉寸前。桜かな。
しばらく行くと一丁平。こちらは、南側の眺望が開ける。すすきが秋らしい。相模湖や津久井湖のあたりの集落が山間に見える。
もう少し足をのばすと城山。八王子の町の方の眺望が開ける。
電波塔のまわりは紅葉が進んでいる。ここまででふもとから3時間ほど。今日はこの辺で戻る。
山頂付近に戻ると周辺のコース案内。帰りは稲荷山コースを選ぶ。4号路の吊り橋は次の機会に。前日に雨が降ったので、稲荷山コースはやや滑りやすい。慎重に下る。
下りきると、ちょうど、ケーブルカーが降りてきた。ずいぶんとかわいらしい色使い。
アベノミクス批判 ― 2014年10月26日 00:32
伊東氏が病床からおして、これだけは述べておきたい、との強い思いが伝わってくる。
・量的・質的緩和については、評価にはもう少し時間を要するのではないか。とはいえ、米国やEUとの政策を揃え、日本が狩り場にならないようにする、という消極的な側面が強そう。本書が批判するマネタリストにおもねているに過ぎない、のかもしれないが。経済報道を見る限り、一定の評価を得ており、その点ではうまくいっているように見える。
・経済成長政策は、確かに姿がよく見えないが、努力している関係者の声も聞かれる。これも、評価には時間がかかる。ただし、本書が指摘するように、高齢化、労働生産人口の減少、といった重要な問題が先送りされるだけにならないよう、しっかり見ていくことが必要。
・最終章は政権批判。いろいろな意見があろうが、戦前戦後を生きた先人の言葉を重く受けとめたい。
それにしても感じるのは、実際の数値に基づく評価が進んで欲しいということ。本書もいろいろな数字を挙げるが、一面に止まるとの印象。そして、経済学が力を失っていること。今更、米国の主流な議論を紹介し、敷衍するだけでは、物足りない。経済ニュースで、英国のKay Reviewが紹介されたことがあったが、いろんな論点があるはず。
グローバル化が進んでいるといっても、各国それぞれの事情がある。FRBと同じ政策だから正しい、では、説得力はもたない。
伊東氏の考え方については、先日、放送大学でアーカイブスの一つとして、日本経済と産業と企業'93の第8回「高度成長の謎」を放映していたが、これでよく知ることができる。理論を事実から突き詰める、ファクトファインディングを貫く姿勢が示される。いつでも試聴できるわけではないのが残念。
この回の講義では、製鉄業や石油化学工業の発展について論じるが、製鉄業については、次の要素を挙げる。
・工場誘致政策
企業が投資回収を短期で行えるよう、工場用地の提供や社会資本の整備、税制優遇を行う。
・臨海への立地政策
原料の鉄鉱石や石炭などを安価に搬入でき、製品を安価に搬出できる臨海に立地させる。
・外国技術の導入
海外を含め、当時の最新の技術を導入する。
・最新設計思想
新技術を大胆に導入し、効率を重視した設備の設計を行う。
・習熟効果
以上の結果を他の向上に横展開していく。
こうしてみると、同じ経済成長政策といっても、今とはずいぶん条件が異なることがわかる。環境アセスメント等がしっかり求められる。優れた立地条件を備えた海外との競争がある。技術は各国各社横並びで自ら開発しなければならない。等々。こうした下地があるからこそ、第三の矢が実効性を持って見えてこない、と主張できる。
フォカッチャにとんかつマックバーガー ― 2014年10月29日 16:10
昨日は、出掛けついでにモスバーガーでソーセージフォカッチャ。この季節の定番。このところ、コーヒーの飲み過ぎなので、お供はコーンスープ。セットでポテトを頼むとちょっと重いときは、スープがいい。ソーセージのぷりぷり感はさすが。
今日もお昼が中途半端な時間になったので、マックでお茶を濁す。ちょうど、とんかつマックバーガーが出たところ。これは、モスでいうところのロースカツバーガー。ロースカツバーガーは、火を通しすぎて固くなっていることもあったりと、カツを揚げるのは難しそうだが、おいしくできている。アメリカの味は大切にしてもらいたいところだが、このところ世界的に不調のようなので、国内だけでも、これでカツが入れば。
英国ジョッキークラブ秘蔵 競馬絵画展 ― 2014年10月29日 16:37
東京競馬場に隣接する競馬博物館では、英国ジョッキークラブ秘蔵 競馬絵画展を開催中。英国でも関係者のみ出入りできるクラブに収蔵されており、一般の目に触れることはなかなかないとのこと。先日、グリーンチャンネルで特番があり、なかなか面白かったので実物を見に出掛ける。
東京競馬場の東門。観戦するときは第四コーナーよりなので、いつもの出入り口。東府中の駅から向かうのがおすすめ。開催日はこちらの方が道が空いている。
門をくぐってすぐに競馬博物館がある。博物館前の案内。英国ダービー展も併設。
競馬博物館の入り口。開催日には何度か足を運んだことがあるが、平日は初めて。意外と多くの人が入場している。館内は撮影禁止。
事前に映像で見ていたが、実際の作品は、思いの外、大判の絵で驚く。小ぶりなものと思っていたが、1mを越えるようなサイズの絵がいくつも。古いものは17世紀から、20世紀の作品まで。趣旨からいって写実的な絵になるが、伝わってくる躍動感や力強さはそれぞれ。スタッブズの作品はひと味違う。描かれた当時の風俗も興味を惹く。騎手の勝負服は、早くから今に通じる。
競馬博物館の向かいの広場、日吉が丘も解放され、子供連れの遊び場に。今日は、払い戻しはないので、この先は立ち入り禁止。
日吉が丘の上に登ると、馬場が一望。整備の人と車が忙しい第四コーナー。青空に芝生が気持ちいい。
帰り道、東門のまわりはドングリがいっぱい。歩くと殻の割れる音が響く。
京王れーるランド、は休館日 ― 2014年10月29日 17:47
せっかく京王線沿線に来たので、京王れーるランドに寄ろうとしたが。
水曜日は、休館日。高幡不動駅で多摩動物公園の休園日の表示は見ていたが、同日だったか。天気ばかり気にして、チェックを怠ったのが失敗。
れーるランドが併設されている多摩動物公園駅。四両のワンマンカー。ペイントが楽しい。
同じく休園日の多摩動物公園。でも、紅葉は見事。
屋外展示はちょっと見える。
そのお隣。
振り返ると、多摩モノレール。普段、懸垂型の千葉モノレールを見慣れているので、跨がっているのが少し不思議。
収まりがつかないので、井の頭公園に足をのばす。かい掘りの頃に来たかった。
鴨が一生懸命に羽繕い。
まだ、紅葉には少し早い。さすがに都会の公園の賑わい。秋を感じるには、奥高尾くらいの気配の方が落ち着く。
身分制社会論 ― 2014年10月31日 18:15
朝尾直弘著作集の第七巻。身分制社会論。士農工商、実態は士とそれ以外、加えてそれらから排除された賤民層について論じる。
江戸時代の身分差別というと、幕府から強制されたと習ったように覚えているが、実態は、自立を強めていく庶民層がまとまりを強めていく一方、仲間内に入らない人を疎外する動きがあり、それを幕府が追認し制度化していった側面もあるという。これは現在の私たちにとっても、自分たちの問題であることを教えてくれる。今は、移動も自由であるし、個人の技量で職業も選べるが、ヘイトスピーチをする人が現れたり、米国では富裕層でないと住みにくい条例を定める地域が現れたり、と、差別につながる動きは常に身の回りで生まれる。
武士とそれ以外の身分との行き来についての論文も面白い。江戸も後ろに行くにつれ、戦がない一方、藩の財政難が進み、足軽などの層を削り、必要な場合は臨時雇用に頼るようになる一方、複雑になる経営や産業育成のために技量のある人物の登用や財力で武士の身分を買い取る動きが進む。近年の企業がリストラを進め、非正規雇用を活用する一方、優れたベンチャー企業を買収して人材を取り込む様、新興企業が資金にものをいわせて由緒あるブランドを獲得する様に似ている。江戸のこのような新しい人の層は、改革の必要を感じ、明治維新につながったという。歴史に学ぶとするなら、今、足下で進む人の動きも、次の時代の胎動となるのかもしれない。
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