Pegasys Video Mastering Works 6 ― 2014年12月26日 12:49
先日、CUDAのToolkitをセットアップ後、Pegasys Video Mastering Works 5 のエンコードでCUDAが利用できなくなった。Toolkitのセットアップ時にGPUのドライバが更新されたのが原因。Works 5では、新しいNVIDIAのドライバでは、CUDAが利用できないとのアナウンスが出ていた。
そうこうするうちに、Pegasysからは、Works 6 発売のアナウンス。
エンコードでのCUDA対応がなくなり、代わりにNVENCに対応するという。NVIDIAのGPUに搭載するハードウェアの機能。
今のところ、GPUを更新するつもりもないし、Works 5 の性能にも不満はなく、CUDAプログラミングも遊び程度なので、悩ましいところ。とはいえ、GPUドライバの更新ができないのは禍根を残すし、アップグレード価格も手ごろなので、年末の気分も手伝って更新。
Works 6 の起動画面。一気にシックになった。操作画面もタイル調で今風に。
せっかくなので、使い勝手と性能を簡単に比較。こちら、Works 5 で30分程度と1時間程度のAVIファイルをMP4にエンコードしてみる。ビットレートは平均1.5Mbpsと低めの設定。それぞれ、10分弱と20分弱。
エンコード中のCPU使用率は、16%前後。一つのコアの負荷が高め。
NVIDIAのコントロールパネルのシステム情報。
GPUはQuadro410でエントリーレベル。
CUDAコアは192。
ドライバのバージョンは、抑えていて、333.11。
次に、Works 6 でH.264のエンコーダを利用した場合。CUDAはエンコードに利用できない。それぞれ、13分弱と26分弱。Works 5 のCUDAエンコードより、3割ほど長い。
CPU使用率は、8コアがほぼ100%。8コアもあれば、エンコード時間は稼げるが、CPU使用率が高すぎるのが問題。他の作業に支障が出る。CUDAを重宝した訳。
新機能のH.265エンコードも試してみる。30分のAVIのエンコードに38分。H.264に比べ、3倍ほど時間がかかっている。1時間のファイルは時間がかかるので実施していない。
CPU使用率は、80%強。
次は、NVENCだが、準備としてGPUドライバの更新が必要。最新の 341.21 に更新。GPUはKepler以降のアーキテクチャが必要。Quadro 410はぎりぎりセーフ。同時に処理できる数は限られるが、ローエンドのGPUでも対応している。本当は、Maxwellの620が欲しいところ。
Works 6 を起動し直すと、映像エンコーダーにNVENCが選択可能になる。ストリーム形式は、H.264のみ。H.265は対応していない。
エンコード時間は、11分弱と21分弱。Works 5 のCUDAに近い値になった。
CPU使用率は、12%程度。CUDA同様、負荷の高いコアが一つある。CUDAの方が若干負荷が高かった。ソフトウェア処理がNVENCに比べて多いためだろうか。さて、NVENCのエンコード時間は若干劣るが、この程度の負荷に納まれば、エンコード中の他の作業に支障は出ない。ほっ。
最後にそれぞれのファイルサイズ。上の4つは30分、下の3つは1時間のファイル。平均ビットレートが低いせいもあるのか、時間のかかる割にH.265の優位性は示せていない。このあたりは、素材と調理の仕方で大きく変わるはず。画質は、ソースがそれほど高い解像度ではないので、差は認められない。
そういえば、H.265の再生手段がなかった。
経済学は人びとを幸福にできるか ― 2014年12月26日 19:07
伊東光晴氏の本を続けたので、別の角度から経済学を眺めてみようと手に取る。全20章。雑誌への寄稿や講演録などからなる。体系だった論説ではない。反面、ときどきの率直な気持ちを表したものが多いので、宇沢氏の人となりがよくわかる。
11月中頃にNHKのETV特集「宇沢弘文 いま再び豊かさを問う」の一挙再放送があったが、業績については、こちらの方がよく伝えているし、真に迫っていた。
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