極限環境生物学2015年09月23日 19:54

たまには生物学。少しお高いが「現代生物化学入門」の10巻。2010年の発行なので、今から5年くらい前までの知見によるものか。

極限環境生物学

極限環境を概観した後、地下、深海、極域、宇宙、における生物の有り様を紹介。まだまだ端緒についたばかりの研究も多く、列挙するまでの分野も多いらしい。極限環境のいくつかは、NHKのサイエンスゼロなどでも取り上げられた。ISSの研究にも取り上げられている。それらの全体感をつかむことができる。

それにしても、生物圏の広がりには驚かされる。範囲と量について言えば、人類などマイナーもいいところ。単細胞生物がほとんどだとしても。これを読むと、生物は意外とどこにでも発生するし、宇宙をも渡り歩くように思える。地球外生命の探査が盛んだが、見つかりはじめれば普遍的なものになるかも。反面、それなりの速度で生育することと、高度に進化する条件は厳しそうだ。その点では、地球は変わらず貴重な存在。

環境が生物に与える影響、逆に生物が環境に与える影響の大きさと時間スケールも実感できる。産業革命からの二、三百年は、この時間スケールからは一瞬。生物が乗っかっている時間スケールを考えると、大きな変動のリスクはいかに予測困難であるか。安全を第一に考えるならば、スピード一辺倒、経済発展一辺倒はやはりリスクが大きい。

理解には努力が必要なことと、リターンが大きいことが人の判断を惑わせるが、それも自然が織り込んでいることなのか。

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