戦国日本の生態系、村 百姓たちの近世 ― 2023年08月02日 10:34
中世から近世にかけての庶民の暮らしについて、二冊。
越前の集落について、山間部、沿岸部、窯業製造地、流通の集積地、の各点で人々がどのような生業を営んでいたかを当地に残る資料をもとに明らかにしていく。ボトムアップ式の著述。
いわれてみれば当然のことながら、人々の営みは模式化された単純なものではなく、その地の特質を活かしできることをなるたけ取り組み、周辺とも連携し、領主など上位のものとも丁々発止のやりとりを尽くす。生存条件が厳しいだけに、現在よりもより逞しい。
こちらは、組織としての村を起点に、地理、成立過程、行政(内部、上位組織との関係)、農業を中心としたカレンダーと収支、開発限界到達による変質、を明らかにする。どちらかというとトップダウンの著述。
持続的成長が可能な社会、という目で見られがちな近世社会であるが、自然環境に左右される実態はなかなかに厳しく、江戸中期以降は限界に達し必ずしも解答を持っていたわけではない。ややこじつけになるが、この限界突破のために明治の近代化が希求され、現在に解答は持ち越されているといえる。
読んでの面白さ、生々しさという点では、戦国日本の生態系。全体像の把握という点では、村。併せ読むのが正解。
印旛沼北側 ― 2023年08月04日 15:42
暑いので遠出せず、印旛沼北側周回コース。反時計回り。
東側の沼沿いの道は未舗装路なので、成田線に沿って進む。
早いところは、穂が垂れてきた。
成田安食バイパスと、工事中の鎌ケ谷本埜線バイパスの接続部。だいぶ工事は進んだ。開通すると北総線の印旛日本医大の方に通じる。
印旛沼の自転車道に取り付く。あちらこちらで葛の浸食を受ける。ちょうどこの先で除草業者と遭遇。
漁港には鵜の群れ。
ペリカンも元気そう。
湖面では、水草の除草船が活躍。
464の橋梁の裏には、例年通りツバメが群れなす。
伊藤博文演説集 ― 2023年08月17日 12:59
文庫の小説3冊分ほどの分量。なかなかの大部。漢文口調の二重否定が多出するので、慣れるまでが大変。
収録演説数は39。有名なサンフランシスコでの「日の丸演説」を筆頭に、憲法制定にまつわるもの、憲法制定から10年ほど経って西日本を中心に漫遊したときのもの(14本)、韓国統監としてのもの(11本)、などを収める。
戦前の、戦争に突き進む政治の流れに導く何かの示唆はないかと読み始めたが、伊藤の姿勢はどちらかというとそれに抗するもの。
主権のよって立つ根拠には天皇の神聖性を置く。しかし、専制政治は否定する。歴史的にもそうであると説く。支配層である天皇と人民は、聖徳太子を引いて「和」をもって歩んできた。したがって、立憲政治を導入して、人民が議会を通じて参与することは、自然なことである、と。
憲法をはじめとする法制度の整備は、欧米諸国との不平等条約を解消することに本義があったといえるが、実際の国家運営でも意義を唱えていたといえる。
経済重視、実学重視の姿勢。その前提として、連邦制の性格を持つ幕藩体制では、国力が分散して欧米に互していけない、故の明治新政府による中央集権体制の樹立。国家間の争議の根底にあるのは、主に経済問題であることを見抜き、経済力の増強を訴える。
中国、韓国の国情の分析。これは、「朝鮮儒教の二千年(講談社学術文庫)」を読んでいたから理解できるもの。読み書きそろばんといった実用が浸透していた江戸の日本とはずいぶんと異なり、現在の感覚では誤解しやすい。
演説では、論敵への非難は避けているが、苦悩の様子は伝わってくる。では、彼等を導いたものは何であったのか。これは次の課題。
読み応えのある演説の数々であったが、こうなると戦後政治家の演説をまとめたものもほしくなってくる。伊藤博文に劣らぬものが揃っていないと寂しい。
E-InkタブレットでWeb小説 - BOOX Nova Air C ― 2023年08月19日 14:52
タブレットでWeb小説を読んでいると、やはり目がつらい。発光する液晶画面を長時間見続けるのは、目が疲れるもの。
一念発起してE-Inkタブレットを導入。BOOX Nova Air C、通販サイトのポイントを加味するとモノクロとカラーで5000円ほどの価格差なので、興味が優ってカラーにしてしまう。価格だけなら、BOOX Poke5なのだが、主用途がブラウザだと、メモリ量が2GBというのはやや覚束ない。
起動後すぐにUpdateを行い、ファームのビルド番号は3.3.2。この版では、Google Playはすぐに使える状態。文字入力のOnyxキーボードは使いづらいので、MicrosoftのSwiftkeyを導入。
小説家になろう。ガラス面の奥にE-Inkの表示域があるためかピントは合わない。Firefoxで表示。なお、標準ブラウザは、ChromeベースのNeoBrowser。
表示モードはノーマル。フロントライトは消灯。背景の白が暗いので、コントラストは高めに設定。
右下のマルはナビボールと、スクロール用の印。画面書き換えは、液晶に比べて遅いので、ペン操作よりは、ナビボールを使った方が読みやすい。
カクヨム。こちらはアプリ。
KindleアプリUS版。言語を英語にしてセットアップするとAmazon.com用に設定できる。セットアップ後、言語は日本語にもどす。
フロントライトの設定はわかりにくい。一つは、電源管理。
もう一つはコントロールセンター。暖色光、寒色光、の右の印をチェックすると、二つが連動して増減する。
Kindleデバイス並みのバッテリー持ちにするには、フロントライトの消灯ないしは暗めの設定が必要。カラーが見やすいようにフロントライトを明るめにすると、意外とバッテリーが持たない。終日読書するには心許ない程度。
標準では、無操作でシャットダウンするまでの時間は15分と短め。すぐに読みたいときに待たされるのは難点。これも、フロントライトを消して運用すれば、一日以上に設定しても困らない。
カラーの表示具合。フロントライトを点けている。それでも暗めだが、実用の範囲。
まとめると、
・Kindle並の使い勝手にするなら、フロントライトを消して、シャットダウンまでの時間を延ばす。
・フロントライトを消すと画面は暗くなるので、コントラストは高めに設定。
・画面書き換えは遅いので、ナビボールのスクロールボタン利用が便利。
・リフレッシュモードはノーマルでいいみたい。
・Web小説サイトのホームページやブックマークは、カラー表示が助かるが、色使いによってはちょっと見づらい。特に背景が色つきの場合。
・目の疲れは圧倒的に軽減。
もしかすると、白黒バージョンを購入した方が使い勝手はよかったかもしれないけど。カラーはそれはそれで面白いからいいのだ。
P.S.
2023年10月、新しいファームウェアが配布され、設定まわりに化なりの変更が入った。それなりに使い勝手が向上した感じ。
印旛沼北側 ― 2023年08月31日 20:05
まだまだ暑いので、ほどほどの距離の印旛沼の北側周回コース。反時計回り。
印旛沼周辺の田んぼは稲刈りが始まる。近所のお米屋にも、新米が出始め。
長門川を渡る、鎌ケ谷本埜線バイパスの橋もそろそろ竣工間近。
自転車道に立ち塞がるショウリョウバッタ。
北西部、岸辺でカルガモが羽休め。
カワウのみなさん。
お隣にはコサギ。
ペリカンはハス畑で花と戯れる。
黒い実をついばみに来たこちらは?すぐに飛び立ち顔を確認できず。印旛沼の自転車道ではよく見かけるのだけど。
南側の入り江にカルガモの集団。身体の大きさを見るに親子かな。
こちらのお隣はチュウサギ。
上空にはタカ。トビのようなサシバのような。
北千葉道路の橋梁には、今日もツバメの集団。旅立ち前の身体作りの最中。
南端から筑波山。少し空気が澄んできた。
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