モスフード、第44回株主総会2016年06月28日 18:17


モスフード株主総会

業績回復で、こちらも穏やかな進行。事業報告から。写真は、会場で流れるCM。

・国内は、年成長101%を目標に。
インフレ目標2%からすると、実質減の控えめな数字。もう少し積極的でも。

・ネット注文は約7億円。来期は14億円を想定。
1%程度ということか。

・中国の出店は足踏み。15店舗で、8店舗減。
台湾は好調なのに。ただし、質疑無し。

質疑も、経営内容よりも商品やサービスについてが中心。

・キャスト(店舗要員)の応募には、ネットや携帯からのものが多い。店舗での応募も継続して実施している。

・他社の撤退地域への出店について。最近は採算の難しい場所が多く、積極的に出店できる状況にない。
M社をなじる質問者に、苦笑気味。

・海外店舗のメニュー。台湾、タイ、シンガポールなど、ローカルのメニューも増えている。モスバーガー、テリヤキバーガーなど、中心メニューは日本と揃えつつも。

・ナン、タコス。数年続けて夏場のメニューとしていたが、オペレーションに難しい点があり、ここしばらくは、投入していない。近年は、通常メニューのソースのバリエーション(カレーなど)を増やす対応が中心。

・その他事業の状況。フランチャイズの経験をてこに、将来の柱を育てたいとの思惑。この業態は、いくつも手がけて一つうまくいくかどうか、というぐらい難しい。M&Aも視野に入れている。
M&Aは、今年出てきた単語かも。何か想定があるのか。

・海外店舗の品質のばらつき管理。30店舗くらいになると、まとまった仕入れができ、自社製造も可能になり、ばらつきが抑えられる。それ以下だと、委託先の事情が優先し、ばらつきが大きくなる。特に野菜が難しい。
日本国内の規格にこだわりの農業が特殊ということか。

・株主還元への質問に関連して。2016年度は、POSレジ改修投資が大きい。

・価格戦略。現状、商品の主流価格帯は、250円から350円。来店客あたり単価は、700円から800円。費用では、人件費が上がってきている。これを踏まえて考えていく。
明言は避けたが、全般に価格を上げるのではなく、高価格帯商品を適宜投入して、客単価を上げたいとのニュアンスか。

・利益剰余金が積み上がっている点について。投資に役立てるほか、災害時などフランチャイジーを守るための資金が必要。数十億程度がそれに当たる。

最後に、社長の兼任を外れる櫻田さんが、議長としての最後の挨拶をして閉幕。

住友商事、第148期株主総会2016年06月24日 15:25


住友商事株主総会

いつもの六本木の会場。資源と金属まわりの減損が一段落したためか、先の三井物産に比べると、ずいぶんおとなしい進行。細かな質問が多く、経営に切り込むものは少数。

・資源上流権益について。開発計画に基づく費用が発生する中、将来の収益見通し引下げに基づく減損が、同時期に発生し、二重苦状態。

・中期の3カ年計画における総投資額は、1.2兆円から減額修正し、1兆円。うち、7割を自動車、生活、電力などの社会インフラに重点割り当て。

・売上減、売総減、販管費やや増の決算について。販管費が70億ほど増えたのは、円安の効果によるものが200億円ほど。ドルベースでは、130億円相当の経費削減を進めた。売上や利益減が深刻な資源、鋼管のビジネスでは、経費削減が重要課題と認識。

・株価の低迷について。先行き不透明感が高く、捻出したキャッシュフローは財務体質強化に充当したい。国内のマイナス金利で円資金調達が容易といっても、海外事業で必要なドルの調達コストは上昇傾向にある。安易な借り入れは格付け低下にもつながる。
不透明感には、英国のEU離脱、米国の利上げ、米国の大統領選挙を挙げた。ちょうど、英国の離脱優勢と急激な円高の報道が社長の耳に入った頃合いだったよう。

・中国ビジネスの比率について。総資産の3~5%程度。まだ少ない。

・納税について。国内は、減損もあり、ほぼゼロ。計算書の納税額のほとんどは海外分。

・為替の影響。1円で利益に5億円ほどの影響。中計での100億円のバッファというのは、20円ほどの変動分に相当。

・社外取締役の登用方針。法曹、官界、学識経験者、経営者、などからバランス良く。

世紀東急、第67回株主総会2016年06月23日 13:50


世紀東急工業株主総会

春先のポートフォリオ見直しで、建築土木を少し入れてみる。道路舗装が主業の世紀東急。

株価が低いので配当利回りは悪くないが、配当性向は10%台。それもあってか出席者は少なめ。質疑を見ていると個人投資家も土木関係者が多いよう。

最初に、独占禁止法違反の疑いで公取の調査が入ったことの謝罪。震災復興の高速道路の事業におけるもの。業界の事情もあろうが、一般株主が少なく、株主総会の議論が低調なようだと緊迫感が持てないのでは。

・配当性向は、同業内では平均的なもの。バブル期の負債が大きく、同業他社に比べ、設備と人材への投資が遅れている。当面、資金は投資に重点配分し、将来の安定成長の礎としたい。

・排水性舗装は、同業も幅広く手がける技術。遮熱性舗装は、他社にリードする技術。渋谷の交差点にも用いられている。

・アスファルト部材は、業界団体が、年10%程度の市場縮小を見込んでおり、JVなど規模の確保が課題になっている。

・栃木に開設した研修所は、技能労働者と技術要員の育成のため。前者は、自社に限らず協力会社の要員も含めて受け容れ、人材不足への手当を目論む。

三井物産、第97回株主総会2016年06月21日 14:49


三井物産株主総会

大賑わい。多額の減損で関心が高まったものか、その割に厳しい追及はなかった。そもそも関心が高いのか、お土産があるためだけでもなかろうに。

前回同様、対話の意識が弱いとの印象。「いま○○をしています」、との回答が目立ち、行動の理由となる現状をどう見ているかに踏み込んだ回答が少ない。臨機応変にどのような場合にも立ち居振る舞う、ということなのかもしれないが、情報弱者としては、商売を取り巻く状況や将来をどう見ているのか、見識を伺いたいもの。以下、ポイントと思われる質疑など。

・商品市況は当分低迷を想定。競争力は高いので、今後上向くと確信。業績への影響は半年遅れ。来期も最低期の影響が残るが、最近の復調が後半に反映される。

・ROEは5~6%程度に低迷。10%台の目標は2020年に向けて堅持。

・(住商との合併案を問われて)金融業と異なり、商社同士の合併には意義を認めない。それぞれの得意分野を持ち寄って、個別部門ごとに協業することはあり得る。

・再生エネへの取り組み。総発電能力11.5GWのうち、1.5GWが再生エネ。広報は不十分かもしれないが、取り組みとしては大手。

・生活産業分野の赤字は、ブラジルの穀物ビジネスの不振が大きい。改善中。

・今回の総会のお土産は、気仙沼の海産物加工業を支援する意図。お土産は不要との意見もあるが、有効に活用したい。
缶詰や瓶詰め、ふりかけなどの詰め合わせ。

・株主還元の判断は、キャッシュフローが重要な指針。次期中期経営計画での方針はこれから決めるが、当期(平成28年3月期)と次期(平成29年3月期)の配当額は、(基礎営業)キャッシュフローの約四分の一との基準に基づく。

・食品分野でのセブンイレブンとの関係は、三井食品があおりを受けたものの、引き続き強化を目指す。PB開発やコーヒー豆の調達などを進めている。

・原油価格は、1バレル45ドルを想定。現状、50ドル程度でもみ合うが、在庫調整が進み上昇見込み。ただし、60ドルに近づくと増産が始まるので上値は重い。

・ブラジルのカントリーリスクについて。現状、政治と経済の混乱がみられるが、ファンダメンタルズから見て中長期の成長は間違いない。したがって、中長期のビジネスを重点に取り組む。

桜開花基準木

今日は雨模様なので、会場のホテルの庭園を抜けて駅へ。こんなところに桜開花の基準木。

バンダイナムコ、第11回株主総会2016年06月20日 18:03


バンダイナムコ株主総会

入場口の展示パネル。製品展示は、海外展開の紹介に力が入る。

大きなニュースとしては、上野和典氏がホールディングの取締役から退任。CGOは継続。

業績も順調ということで、質疑は製品やサービスへの要望が中心。これはこれでいいのだが、事業について突っ込んだ話も聞きたいところ。以下、事業関連の質疑をかいつまんで。

・欧米の事業は復調基調がしっかり。PS4などのゲームタイトルが好調。

・ラブライブ!のPVが事前に海外サイトで流れるなどの事件は認識済み。対処中。

・アミューズメント施設は黒字化達成。ただし、施設に導入する機器の収益は遅れて発生するため、この部分は減益。

・株主数が2万人増えて、2万人減少。
妖怪ウォッチねらいの短期の投資家と把握しているよう。

・パナマ文書に掲載の3件のうち、2件は類似の会社名で無関係。1件は、投資先がケイマンであったが、租税回避目的でない。

・主要IPの成長性について。ガンダムは引き続き伸長中。ドラゴンボールは、ゲームソフトが好調。日本とアジアで30万本、欧米ではその10倍以上。NARUTOは中国でNo.1のIPに。

・ガチャについては、業界団体の標準に従いつつ、誤認防止に最大限の配慮。
とはいえ、パチンコと同じような仕掛けなので、子供を熱中させるのには少々疑問。知育ということばもあるくらいなのに。まあ、昔の遊びでも、とられるときは容赦なくとられたものだけど。

・ROE10%を越えての目標設定について。
波のある事業なので、安定を指向したいとの回答に聞こえる。

・アジア進出における価格戦略。韓国、台湾、香港は、順調だが、シンガポール、オーストラリアなどは苦戦。低価格版の投入を準備中。

・デジモンの再始動。玩具、ゲーム、アニメ等、グループの総力を挙げる。

・アイマスのキャラクターへの声を充てる件。
声優の発掘と充当がなかなか難しいよう。長い活躍にもなるし。

高輪消防署日本榎出張所

帰り道、高輪消防署(日本榎出張所)に通りかかると、ずいぶんと古いタイプの消防車。たまに、通らない道を歩くと発見がある。

イオン株主総会、第91期2016年05月25日 16:04


イオン株主総会

最初に熊本地震対応の映像上映。「地域産業」が本総会のキーワードだったが、それを先取り。

次いで、昨今の東芝などの事例を想定してか、コーポレート・ガバナンスについて、社外取締役と岡田社長から、それぞれの立場で説明。一般には、身内に甘い経営を廃し、効率的な経営、ROEを重視した経営を求める文脈で言われることが多いが、それとは違う。

社内と社外取締役の間の議論の結果、効率重視、ROE重視を経営の有力な方向性と認めつつも、他方、地域のお客様をはじめとする様々なステークホルダーをひとしく重視する経営こそが目指すべきものと結論づけたと、社外取締役からの報告。「地域産業」を自認する岡田屋以来の商売のやりかたの踏襲を改めて宣言した形。

岡田社長曰く、ガバナンスとは、社長の自分を律すること。過半数を越える取締役が社外であること。社外取締役は経済的にイオンに依存しすぎないよう、固定報酬、持ち株0にしていること。

加えて、社内と社外の取締役が議論を重ね、経営の方向性について、普段から齟齬がないようにしていること。このあたり、セブン&アイやクックパッドが、先進の制度を導入しても、うまくいっていないことを意識したものか。米国Talbotsの苦い経験があり、制度の良い面と悪い面を勉強したとのこと。

以下、トピックやQ&Aなど。

・WAONポイントを6月から順次スタート。
~前回だったか、乱立するポイント制度への質疑への回答を実施に移す。

・今夏、次の3カ年計画を立てる。大幅な組み替えも想定しつつ検討。達成した売り上げ規模にふさわしい収穫を目指す。ダイエーや海外展開がポイント。次回の総会の重要な報告内容になる。

・リテールは、粗利の改善がようやく目に見える形に。キラーパスがあったわけではなく、総合力がついてきたのが理由との理解。

・福島県広野町への出店。映像では、町に人が戻ってくるきっかけとなっている様子。福島県を通しての依頼。2000人規模の町への出店は、どこも断るという状況だったが、「地域産業」を自認する以上、出店を決意。やりようがあることを見出した。

・既存店舗マーケティング。
~改装を機会に、地域の変化やお客様の声を取り入れるのが現状のよう。普段からできるといいのだろうが。最近の改装ラッシュはこのあたりも理由か。

・中国事業でWal-Martに後れをとっていることへの質疑。
~流通の効率化が進んでいない点が、コスト競争でも足を引っ張っているよう。

・高齢者施設への移動販売の要望。
~巡回バスも4年ほど前から始めているよう。この後の進展がポイント。確かに買い物ができるのは楽しい。

・POPの価格表記は、税抜きが大、総額表示が約半分の大きさ。レシートは総額表示。これでは、わかりにくいとの指摘。
~この問題は認識しているようで、来年度に向けて対応中とのこと。

金沢まいもん寿司

帰りは、幕張新都心店。金沢まいもん寿司でお昼。おすすめのセットで。のどぐろは確かにうまいが、そこそこ値が張る。

加賀太胡瓜

加賀太胡瓜の握りを見つける。浅漬け。千葉だと、店頭にはぐらうりが並ぶ季節だが、食感はそんな感じ。

旭硝子株主総会2016年03月30日 18:48


旭硝子

久方ぶりの増益ということで、終始、穏やかな進行。お土産は、前回と同じく、ガラス製の密閉容器。調理にはなにかと便利だが、このままいくと容器ばかり増えかねない。

・今後10年の成長戦略
中国の成長が落ち着くことを見計らって、その次は東南アジアから、欧州に向けてのバンドを狙うという。インドあたりを見ているのだろうか。中東の世情はどうなるのか。

・液晶パネル事業の生産設備の中国への集中
シリコンバレーではないが、技術の中心地ができあがると、そこに集まる動きが加速する。液晶パネルでは、それが中国とのこと。それに引きずられて素材産業も集まる。総体としての中国経済の成長減速とは異なる動き。

・ベルギーの事件
欧州事業の中心をベルギーに置いており、従業員の家族が巻き込まれる事態となったことが報告される。決して遠くの国の出来事では済まされないことを思い知らされる。

巴工業株主総会2016年01月28日 14:49


巴工業株主総会

巴工業は、機械と化学の会社。10月決算。シェールオイル関連銘柄の一つとしても数えられる。淡々とした進行だが、質疑では包み隠さず開示する姿勢が見られて好ましい。とはいえ、成長戦略の立案には苦心している様子。

さて、原油を巡る質疑。米国のシェールオイル産業が再び投資に積極的になる価格帯への問いに対し、1バレル$70~80との回答。強気筋でも$60とのこと。この分野は短期的には我慢が必要なようだ。