アリクイのいんぼう ― 2019年01月05日 10:14

喫茶店を併設するはんこ屋さんのご主人がアリクイで、お店に来る人のちょっとした問題が、印の縁を通して解決していく、お伽話が今に紛れ込んでいる、そんなお話。
テーマは、ささやかなものから、ちょっと苦みがきつめの問題まで。それぞれの登場人物のつながりが、お話の中で明らかになっていく展開も見事。日常もののミステリに近い読み味。そして、なによりもイラストがかわいい。
前作の、ひとつ海のパラスアテナ、が、書きたいもののプレッシャーに押され、話が進むにつれ、書かされている感が出てきたのに対し、こちらは、のびのびとした筆致。既刊三冊で、次が気になる展開だが、これで終巻のようなあとがき。なお、読み足りない人には、メディアワークス文庫のサイトに掌編が公開されている。
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