新しい信託法10年の課題 - ジュリスト2018年6月2019年04月17日 17:00


ジュリスト2018年6月

特集は、「新しい信託法10年の課題」。
- ストックオプションの代わりとして、信託型株式報酬制度を導入する企業が数百社に及んでいる(P.30)という。株主総会資料は、それなりの数見てきたはずだが、初耳。
- ETFやADR(日本ではJDR)について、信託の仕組みの側からの解説(P.31)。
- 身近という意味では、「家族を受託者とする信託(P.39)」。高齢者が増える中で有望な制度である民事信託の紹介。NISAやiDeCoでも感じることだが、同じ制度でも金融機関によって得手不得手が出る。この分野では、三井住友信託に一日の長があるようす。

連載「知的財産法とビジネスの種(P.78)」は、農産物における特許権の消尽。ざっくりいうと、譲り受けた人は、重ねて特許料を請求されることなく、利用できること。この「消尽」という法理、不文律というのが面白い。同等の法理は、種苗法では明示されているが、特許の世界では、学説や判例上で認められたもの。頻繁に手が入る法律でもこういうことがある。

連載「債権法改正と実務上の課題」は、相殺。対談だが、想定される場合をできるだけ詰めておきたい、という発想と、少し幅のある概念を用意して後は実際の事例で判断してもらう、という発想がぶつかり合う。どちらも理があるが、教科書等では、自分に合わない方の説を採ると、なかなか頭に入らなくて苦労するもの。

特殊詐欺の判例紹介(P.112)では、だまされたふりをした被害者からダミーを受領した受け子の責任が問われた。シュレディンガーの猫の話に似ている。受け子は、受領したブツを開けるまで、現金が入っているかわからない。開けてダミーだったら罪になるのか。直感では、はっきりしているようなものでも、理路整然と人を納得させるように説明できるか。文系の技の見せ所。

商事判例研究は、「リツイートによる著作権侵害の成否(P.122)」。著作権者に無断でアップされた画像付きのツイートがリツイートされた件につき、発信者情報開示請求がなされた。本件に関しては、請求は認められなかったが、リンクの扱いは、まだまだ悩ましい。

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