けんけつちゃん ― 2014年07月01日 21:05

半年ぶりくらいに千葉県内で献血しようと、津田沼駅に降り立つ。ちょうど、駅に向かうけんけつちゃんに遭遇。ぬいぐるみはよく見かけるが、着ぐるみもあるのか。
今回から、指先の静脈認証が始まる。聞くと、全国展開とのこと。紙のカルテがなくなり、ICカードを持ち回り、事前検査や問診では、タッチスクリーンで情報を閲覧する。今のところ、使い慣れないせいか、スムーズな運用とは言いがたい。何事も電子化ありきではないはずだが、事情のほどは如何。
攻殻機動隊ARISE border:3 ― 2014年07月02日 09:33
津田沼で献血の後、船橋のららぽーとのTOHOシネマズへ。先週末から上映の攻殻機動隊ARISEの第三幕。バンダイチャンネルなどでも同時配信されているが、最初はスクリーンがいい。

平日の昼間だが、それなりの入り。さすがに年配の方はいないようだが、女性の方も多い。このシリーズ、9課のメンバーの集結に至る話だが、今回は、トグサの番。異質なものを抱え込む組織の強さ、そうでない組織のもろさ、荒巻は理解しているが、素子はこの時点では理解していない。トグサが要る理由は、これまでも語られてきたが、素子が学ぶ過程が描かれるのは初めてか。9課のリーダーとなってからは、届かない高みにいる存在として描かれることが多いが、最初からそうではないというのが新鮮。
さて、次回で完結。9月6日から上映。
為替がわかればビジネスが変わる ― 2014年07月06日 15:15

テレビ東京、朝の経済ニュース「モーニングサテライト」の解説でおなじみの方の著書。同じマーケットをめぐる本でも、株式畑の人の場合、前のめりの記述が目立つが、こちらは為替畑。一歩距離を置いた落ち着いた書きっぷり。
マーケットの本では、執筆者が複数人のチームによる場合も多く、よく書けているな、と思っても、一冊を通じたまとまりを感じにくい。本書は、おそらく、著者が全体的に筆を入れているためだろう、語り口が安定しており、内容の方向も一貫性が感じられて好感が持てる。根拠なく、断定するような記述もあまり見られない。それでも、業界の常識や経験でしか説明できない理屈はあるようだけども。反面、内容は少し難しい。金融マーケットの入門書の類いを読み慣れている人向け。
全体を通して感じるのは、当たり前のことだが、日本も世界の中の一つであるということ。一国で全てを制御することはできない。まわりの国々の動きをしっかりと見て、たち振る舞う必要があるということ。アベノミクスへの賛否はいろいろあると思うが、ある意味、世界の動きに逆行していたものを修正しようとした取組とは言えそう。流されていてばかりではいけないのが難しいが、まずは、立ち位置をしっかりと固めるところから、というのが現在の状況ではないか。
これが本当のアンツィオ戦です! ― 2014年07月07日 17:50

ガールズ&パンツァーOVA、「これが本当のアンツィオ戦です!」を観に、千葉の京成ローザへ。
もう少し後で見に行くつもりだったが、週末にTVシリーズを見返しているうちに、待てなくなって。
劇場版のつもりで観に行くと、音響など少々寂しい。ちょっと豪華なTV版を大画面で観に行く、くらいがちょうどよい。時間は40分ほど。TVの1回半くらいのボリューム。全国大会2回戦ということで、試合の進め方はまだ発展途上。相手もそこそこ強いが、弱点もあり。これから試合を重ねて強くなっていくので、どう描くか、難しいところ。尺が長い分、これからチームに参加するメンバをちらりと登場させるなど、TVシリーズの視聴者向けのサービスも随所に。
最後に、劇場版の予告。見たところ、全国大会後の試合を描くようだが、どういう話にするのやら。世界大会は2年後だし、次の全国大会というわけでもなさそう。練習試合を行った、聖グローリアーナ女学院の面々が映像には登場していたが如何。
ジュリスト2014/4 解雇規制 ― 2014年07月08日 13:53

ジュリスト2014年4月号は、特集で解雇規制を取り上げる。新聞等の報道は、どうしても、論点を単純化してYes/No Questionにしたがるが、業種、地域、企業規模などにより、いろいろの実情と課題があるはず。
特集は、労働法学者と経済学者、労働者側と経営者側の弁護士、それぞれの論考を取り上げる。どれを読んでも、現状に問題があることがわかる。経営者が採用に萎縮しているのも事実のようであるし、解雇紛争のうち裁判になるのは1%に満たず乱暴な解雇が横行しているのも事実のようである。
最寄りの交通機関は、IT業界の多い地域を走る。車内では、平社員一人に課長が複数人、しかも定時に全員帰る、なんて愚痴を耳にすることもある。かつての勤め先では、稟議書にアニメーションを入れたり、映像を入れたりで、サービス残業をしつつ、高評価を得て、短時間でてきぱきと仕事をこなして定時で帰る人が割を食う、なんてことも。生産性を上げなくても、業績の評価基準をしっかりしなくても、なんとかなる、面倒は後回しにしておけばいい、というのが、いけない。
業種や、地域、会社の規模によって、事情も課題も異なるはずだが、それを飛び越えて、大なたが振るわれる。政治とは、元来、論点を先鋭化して、大勢を決めるもの。とはいえ、政治への無力感ばかりが醸成されないよう、メディアは細部をよく検討して前向きな提案を積み重ねていけないものだろうか。同じことは、それぞれの会社で経営側と従業員側がよく話し合うことについても言える。
Leslie Lamport ― 2014年07月10日 17:02

Communications of the ACM、2014年6月号。2013年のチューリング賞の記事。受賞者は、Leslie Lamport氏。主に、分散システムの研究についての業績が評価された、とある。現在は、マイクロソフトの研究所に在籍。
Lamportの名前には、心当たりがある。コンピュータ関連のフォルダを見ても、見当たらない。こういうときは、Amazonで著作を探す。

あった。Latexの本。本人にとっては余技だったかもしれないが、こちらの方が有名かも。この本は、会社で処分するものをいただいたように覚えている。奥付を見ると、1986年。フォルダは、コンピュータではなく、文書処理のところに置いてあった。

実際に使っていたのは、日本語版の方。挿絵は、原書の中で用いられているもの。こちらの奥付は、1990年。Wordや一太郎が頼りない時代は、よくお世話になった。制御文を挿入するエディタのマクロを作ったっけ。
労働法なう。 - ジュリスト連載 ― 2014年07月11日 17:52
ジュリストで少し前から始まった連載「労働法なう。」がおもしろい。ドラマ仕立てで状況が述べられ、法的な課題や事例を説明する。

6月号は、名ばかりの管理職の話。経営側の人間といわれながら、仕事は自由になるわけでもなく、残業代がなくなって手取りが減る、よくある話を取り上げる。中間管理職を経験した人には覚えがあるはず。そのときの疑問が少し解消できる。話題の「労働時間規制の見直し」の議論への理解も深まる。両刃の剣。よくない使い方をすると社会や市場から退場を迫られる、という環境が整わないと。
一つ前の号は、「弁護士は労働者か?」という話。雑誌の性質上、弁護士を取り上げているが、個人事業主にも当てはまることが多いように思う。一城の主、というプライドを逆用されて、追い込まれすぎない、身を守る術も身につける、ように。
7月号は、メンタルヘルス休業をめぐる話。悪いことは重なるもので、仕事の悩みと私事の悩みは重なりがち。本人もうまく説明できなかったりと、手探りで苦労した覚えがある。
コンピュータの世界の倫理 - CACM 2014年7月号 ― 2014年07月12日 09:39
貯まっていた雑誌をようやく片付けたと思っていたら、Communications of the ACM(CACM)の最新号が届く。米国の情報処理分野の代表的な学会誌の一つ。少し前から、技術に関する記事の他、法的な問題、教育の記事が目立つようになっている。

今回、教育の記事では、コンピュータの世界の倫理を取り上げる。原題は、Computing Ethicsだが、適切な日本語がない。「情報倫理」「コンピュータ倫理」といった用語が使われているようだが、双方の意味にわたる。
ちょうど、ベネッセとジャストシステムの事件が大きく取り上げられている。コンピュータの教育では、プログラム教育がよく取り上げられるが、米国では倫理も同じくらい重要なテーマになっている。記事にACMとIEEEがまとめたソフトウェアエンジニアリングの倫理規定の抜粋がある。その3.13に、「利用するデータは、倫理的にも法的も正しい方法によって得られた誤りのないものであること、かつ、提供元に認められた利用法に従うこと」(私訳)とある。今回の事件であれば、どちらにも反している。
実際、ここに出てくるような会社であれば、何らかの倫理規程があり、同様なことが書かれていて、従業員も知識として知ってはいるのだろう。ただし、知っていることと、実践できることは別。記事では、アリストテレスやドイツの哲学者Gadamerの言を引いて論じる。そのギャップを埋める実践を、教育の場でどう取り組むか。ここは、哲学が教育に根付いていることを伺わせ、少しうらやましい。
ITのビジネスの現場では、利潤を上げられる機会があれば、それを活かさないのは罪、という風潮があるのも現実。AmazonやAppleがコンテンツ内での高額課金で訴訟を抱えていたり、射倖性の強いゲームで利潤を上げる会社がちやほやされる反面、自ら定めた倫理基準に頑なな任天堂は批判される。
簡単に答えは出ないし、先の哲学者も問い続けること、考え続けることが大事、と言っている様子。目の前の一つの事件だけを見て是非を論じるのではなく、そこでつながっているいろいろをあわせて考えてみたい。
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