イオン株主総会、第95期 ― 2020年05月22日 13:10
今回は、出席自粛要請があり、オンライン中継での参加。質問がある人には事前受付。取締役の数人はビデオ出席。映像を見る限り、50人くらいは現地に赴いているよう。
社長交代後初の開催。会社側も対面で実施したかったはず。議長は、岡田会長。岡田節を聞く機会は増えたかも。
冒頭に、岡田会長から新社長をよろしくとの言葉と、社長在任中の感謝の言葉。
事業報告のビデオでは、武漢のお店の様子。モールが3、スーパーが5あり、自治体の要請でスーパーは営業継続。緊張感のある映像では、お店の人が頑張る。この経験が国内の対応につながっている。つづいて、2019年7月の浪江店の開店の様子。住民の一割しか帰還していない状況での開店。
感染症の影響でネット事業は大きく伸長。2030年には、6000億を目指す。
吉田社長からの補足説明。氏は、モールで実績を上げた方。
中国のモールは4月から再開。5月にはおおよそ回復。ASEANも同様に5月にはある程度の回復。国内は、5月も戻りきらず。これから。
・業態では、スーパーとヘルス&ウェルネスは堅調。
・キャッシュレスの風潮を受けて、WAONも伸長。
・ネットスーパーは、140%への伸長。
・加工食品(120%)から、生鮮品(170%)への回帰。
・リモートワークの普及などで、地域への展開が追い風に。
以下、Q&A。事前受付は70件余。まとめて岡田会長から回答。
・品切れマスク
中国で部品、ベトナムで製造。このサプライチェインが断絶。カンバン方式の弱みが出た。サプライチェインへのコントロールを強める。
・マスク等の入荷状況
1億枚を入荷予定。三日前から800万枚販売開始。小麦なども、回復予定。
以下、会場から。
・冷食、無人店舗を展開しては。
冷食も、無人店舗も、検討している。無人ではないが、冷食店舗として、フランスのピカール社と提携のお店を展開している。(岡田)
・アジアシフトに日本の個人投資家は懸念している。
特定の地域に偏らず、ポートフォリオを重視する。現状、ベトナム重視。人口は日本並み。国内並みに発展する可能性がある。株主向けの販売サイトは意見として伺う。(吉田)
・中国リスクへの対応は。
数年前の中国でのモール破壊は、現地の中国人の従業員も理不尽を感じながら対応していた。津波の後の東北の従業員と変わらない。イオンの仲間である以上、変わらない。国のリスクについては、中国同様、撤退したが米国にも米国のリスクがある。一定の覚悟を持ってビジネスをしている。(岡田)
・国産生産を進めるべきでは。調達の多様化をすべきでは。
調達の集中リスクは、理解している。国内製造は、種類にしても数量にしても限られる面がある。国内外問わず、適切な調達網を目指す。(岡田)
・イオンラウンジ再開の見込み、将来の展望。
再開には、オペレーションの見直しを含め、時間がかかる。(吉田)
・販売の現場やお客様へのメッセージの発信が必要では。
昨日、ダイエーのメッセージ広告が出た。イオンとしても何らかの発信を準備している。(岡田)
・大きなモール進出後の、既存店の有り様は。不便になるのは困る。
特に名古屋地区は、イオンがドミナントな存在であり、既存店の近隣への出店が多く生じうる。モールと食品スーパーは、別のマーケットと考えている。グループ間の横串で調整を行っている。これからは、ネット事業もあわせて考えていく。(吉田)
・ラウンジなど、株主優待を考える上で、売上貢献度を見るべき。
オーナーズカードを用いた消費は、19年度は2340億。前年比6%の伸び。現在も順調。ラウンジ閉鎖の影響は見られない。(三宅)
・幕張新都市店の徒歩と自転車のアクセスを改善して欲しい。
自治体との関係も在り、明言は難しい。関連して、23~24年頃、新駅開業にあわせて、動線を新たに設けたいと考えている。(吉田)
以上。いつもとあまり変わらない時刻に終了。吉田社長が前面に出るのは、次回からか。
映像配信の腕は、もう少し。カメラとの距離感や、視線の取り方、頭を下げての礼の仕方、等、工夫が要る。他社も導入してくれれば、参加率を上げられる。
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