仮想通貨を巡る法的課題 - ジュリスト2017年4月2017年12月23日 20:53


ジュリスト2017年4月

HOT issueにて、仮想通貨を巡る対談。少し前の記事だが、昨今、経済記事を賑わすビットコインなどを巡る動きがよくわかる。いくつか気になった話題から。

・P70、「仮想通貨の法的性質を論ずるのが難しいのは、法定通貨の法的性質がまともに論じられていない」から
あたりまえと信じられている事項について、あたりまえであるが故に、議論が詰められていない。なるほど、確かに、と唸ってしまう。

・P72、「システムにバグがある可能性はもちろんあるわけですが、多数の人が関与する組織が約束通り事務処理を行いますよというものよりは、よほど信頼できるのではないですか、というのがブロックチェーンの価値提起」
金融当局などの恣意を疑う懐疑論、と捉えるよりも、機械の方をより信頼するという価値観への転換の現れの一つ、と言ったほうがいいのかも。人が握ったおにぎりよりも、機械の握ったおにぎりの方がいいという人が現れているような。そのうち、AIの判断についても。

・P74、(アルゴリズム取引の連鎖で金融システムが麻痺するような危惧を前置きにして)「そういうものに対して、早期解約を一時的にステイする、こういうものを組み込まないといけないのではないか」
フィンテックの類の導入が進まないのは、こんな風に先行する事例で見えてきた課題を色々と潰そうとしているから、と思いたい。導入してから問題が起きてから対処、という進め方もあるが、この国の文化では抵抗が大きい。