感染の広がりモデルにおける吸収状態遷移2021年11月16日 18:10


数理科学2017-07

少し前の記事になるが、「数理科学」2017年7月号の「非平衡相転移におけるミクロとマクロ」から。伝染病の広がり等を単純化したモデルを例に、「一度入ったら二度と出ることができない巨視的な状態」である吸収状態に、入るか入らないかの相転移(吸収状態遷移)を解説する。

実際の所は、後年の研究に待たなくてはいけないが、現今のコロナ感染の急速な低下を見るに、吸収状態遷移が起きたのでは、と思わせるものがある。この場合、大小の感染クラスタがミクロ自由度にあたり、社会という大きなスケールでの感染爆発や収束といった相転移をもたらすのか。立証は大変だが、仮にできたとしても一般向けの説明は難しそう。そういうもの、としか言いようがない。