スカイ・クロラ シリーズ2014年02月13日 10:01


クレィ・ドゥ・スカイ
押井守の映画の後、しばらくしてから買い求めた。その頃は、版切れで古書と併せて何とかシリーズを揃える。おかげで、表紙の体裁がばらばら。今は、Kindleでも出ているようで揃わない心配はない。ようやく読了。短編集はそのうち。

読み進めていくと、時折、身につまされるような一文に出会う。そこで一休止。どういうのだろうか。個人的には、音楽を聴きに行くのが好きで、そのために仕事上の無理も受けてきたが、そうこうするうちに、聴きに行く当日の夕方にトラブルが起きて、立場上、引き受けざるを得ず、そんなことが年に数度も繰り返すうち、聴きに行くこと自体がどうしてもしなくてはいけないことから滑り落ち、価値が相対化していく。聴くこと以外にも相対化が進み、気がつくとまわりの価値観に流されている。責任ある仕事をしている大人なのだから、と思いつつも、角が取れた川中の小石のような居心地の悪さがある。主人公等は、飛行機で空を飛ぶ。そのことの価値の相対化を大人にならないことで拒み続ける。それとも、大人にならない故に、相対化しないのか。善し悪しとは違う。選択できるのかどうかもよくわからない。そこに引っかかる。それでもしばらくすると続きを読み進めたくなる。

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