ドイツの都市と生活文化2015年05月18日 12:32


ドイツの都市と生活文化

1993年の発行。もう20年も前になるので、描かれているドイツの風景もだいぶ変わっているかもしれない。それとも、長い歴史を持つ都市は思いの外、変わっていないのだろうか。

著者の小塩節さんは、NHKのドイツ語の番組で知り、教本も手に入れて少し学んだ。本書では、「厚みのある生活文化」を育むことを、ドイツ、ひいては欧州の人びとの生き方を通じて、訴える。その点、欧州の人びとの生き方には好意的だが、時に、「一般は、相も変らずヨーロッパ優位を疑うことのない、傲岸不遜なヨーロッパ中心主義である」と厳しい指摘も忘れない。どの国にもいろいろな人はいるし、現地での長い生活経験を踏まえ、ところどころに書き記された人付き合いのヒントはなかなか頼もしい。