数学とは何か2016年09月22日 11:06


数学とは何か

学校での数学は高校までの身には、数学の本はなにかとハードルが高い。知らない記号や記法が説明なしに使われる、それらを理解するためのガイドがなかなか見つからない。数学事典、というのもあるが、これも一定ラインをクリアしていないと読みこなせない。おそらく、大学最初の頃に理系の学部生がこなす訓練の有無が大きいのだろう。

そんなこんなでいろいろな入門書を漁ってきたが、本書は、途中で詰まることなく読み進められる。序文に偽りなし。反面、文字が多くて、かなりのページ数を集中して読む必要がある。まあ、この点は、お国柄か。IT系の本でも、図表を多用する日本の教科書と異なり、米国の教科書は文字が多い。

初版は、原書が1941年(翻訳は1966年)、改訂版が1996年(翻訳は2001年)。言い回しや取り上げる例など、少し古さを感じさせないではないが、理解の支障にはならない。

章立てを示すと。
1.自然数。補足で整数論
2.数学における数系。有理数、無限、複素数、など。補足で集合の代数
3.作図法、数体の代数。
4.射影幾何学、公理論、非Euclid幾何学
5.位相幾何学
6.関数と極限。補足で極限と連続性の例題の追加
7.最大と最小
8.微分積分学。補足で微分可能性、大きさの位数、ゼータ関数など
9.最近の発展。改訂版で追加されたもの

個人的には、コンパクトな集合、微分方程式、指数関数の重要性、ゼータ関数、あたりの説明が収穫。終章でのFermatの最終定理の説明も4ページほどと短いが、解明に至る構造をこれまでで一番明確に示したもの。

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