雨月物語2014年08月29日 09:26


雨月物語

昭和26年、第13刷。最初の刊行は昭和9年。100ページほど。本文のみ。現代語訳はなし。神田の古書店のワゴンセールで手に入れたか。100円。定価は30円。一つ星。岩波書店のホームページで検索できないので絶版かと。新刊は、角川やちくまで手に入るが、古文を厭わなければ、安価に読める。係り結びさえ理解していれば、ふりがな、送り仮名、句読点もあるので、候文よりはずいぶん読みやすい。

9つの小編を収める。おどろおどろしい物語を想像していたが、今の感覚なら、少し不思議な説話というところ。朝尾直弘著作集にて近世史を学んでいるところ、高野山にて豊臣秀次の亡霊の一行と出会う話を読むことになるのは不思議な縁。明和5年、1768年の執筆とあるから、1595年の秀次の自害から150年以上経っている。それだけ、大きな事件と意識されていたか。