荻生徂徠「政談」2023年06月03日 13:43


政談

吉宗への政策提言書と言われるもの。当時の世情をつぶさに伝える。尾藤氏の訳は、かみ砕いた現代の言葉で読みやすい。

多くは当時の社会や文化に根ざしたもので現在に当てはまるものではない。しかし、巻の3、役人や役所に関するもの。ここは、現代のビジネス書としても通じる一節。政談が描かれたのは江戸開闢から100年ほどのこと。戦後80年の現代と世情は通じるものがある。

地球外生命を探る2023年06月03日 15:17


地球外生命を探る

著者ご本人が本書の内容を語るポッドキャストがある。これを聞いての購入。

KindleでNo.1312あたり、30%ほど読み進んだところに、「生命も実は散逸構造ではないか」との一節があり、得心。

思うに人間の意識も近しいところがあるのでは。情報の流れが絶えずあることが肝心。機械知性が意識を獲得することがあるとすれば、開放系が構築されるかどうか。ただし、開放系は壊れやすく、商業的には人に及ばないかも。認識などの部品とその組合せのみを便利に使う、今の方向が産業として正しそう。ロマンには欠けるけど。

芭蕉のあそび2023年06月03日 16:14


芭蕉のあそび

文化におけるパロディの役割を、俳諧を例に論じる。パロディや言葉遊びというと、高尚でない、と忌避する向きもあるかと思うが、古今、そこここに現れるもの。むしろ、読み進めると、こちらの方が本質に近いのかも、と思わせる。

この本が必要になったのは、江戸と現代の間に文化の断絶があるため。150年ほどしか離れていないのに、引き継がれていない文脈が多々あり、話が通じなくなっている。それは、和歌であったり、謡であったり。

昨今の映画やドラマ、アニメ、小説類、などもおなじ。西部劇、時代劇、スポ根、等々、世の中から姿を消した後、これらを下敷きにした作品群は、今と違った評価をされる未来があるのかもしれない。