三井物産、第97回株主総会 ― 2016年06月21日 14:49
大賑わい。多額の減損で関心が高まったものか、その割に厳しい追及はなかった。そもそも関心が高いのか、お土産があるためだけでもなかろうに。
前回同様、対話の意識が弱いとの印象。「いま○○をしています」、との回答が目立ち、行動の理由となる現状をどう見ているかに踏み込んだ回答が少ない。臨機応変にどのような場合にも立ち居振る舞う、ということなのかもしれないが、情報弱者としては、商売を取り巻く状況や将来をどう見ているのか、見識を伺いたいもの。以下、ポイントと思われる質疑など。
・商品市況は当分低迷を想定。競争力は高いので、今後上向くと確信。業績への影響は半年遅れ。来期も最低期の影響が残るが、最近の復調が後半に反映される。
・ROEは5~6%程度に低迷。10%台の目標は2020年に向けて堅持。
・(住商との合併案を問われて)金融業と異なり、商社同士の合併には意義を認めない。それぞれの得意分野を持ち寄って、個別部門ごとに協業することはあり得る。
・再生エネへの取り組み。総発電能力11.5GWのうち、1.5GWが再生エネ。広報は不十分かもしれないが、取り組みとしては大手。
・生活産業分野の赤字は、ブラジルの穀物ビジネスの不振が大きい。改善中。
・今回の総会のお土産は、気仙沼の海産物加工業を支援する意図。お土産は不要との意見もあるが、有効に活用したい。
缶詰や瓶詰め、ふりかけなどの詰め合わせ。
・株主還元の判断は、キャッシュフローが重要な指針。次期中期経営計画での方針はこれから決めるが、当期(平成28年3月期)と次期(平成29年3月期)の配当額は、(基礎営業)キャッシュフローの約四分の一との基準に基づく。
・食品分野でのセブンイレブンとの関係は、三井食品があおりを受けたものの、引き続き強化を目指す。PB開発やコーヒー豆の調達などを進めている。
・原油価格は、1バレル45ドルを想定。現状、50ドル程度でもみ合うが、在庫調整が進み上昇見込み。ただし、60ドルに近づくと増産が始まるので上値は重い。
・ブラジルのカントリーリスクについて。現状、政治と経済の混乱がみられるが、ファンダメンタルズから見て中長期の成長は間違いない。したがって、中長期のビジネスを重点に取り組む。
今日は雨模様なので、会場のホテルの庭園を抜けて駅へ。こんなところに桜開花の基準木。
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