九州周遊、平成3年 ― 2016年05月02日 08:45
南阿蘇鉄道は、険しい山道を期待して訪れたのに反して、車窓から一面の緑をひたすら眺める旅だったのを思い出す。当時の切符を探してみると平成3年。高森線の折には間に合わなかったが、九州一周を一念発起して訪れたようだ。乗り換えのため、立野駅の途中下車印がある。再びあの車窓に巡り会えることを願うばかり。
輝くもの天より堕ち ― 2016年05月02日 09:57
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの長編。解説によると、長編2冊のうちの2冊目という。
長編を手とする作家の作品と比べると、伏線の張り方と回収の仕方が作為的とも思えるが、読ませる、という点では、引けは取らない。
最後に、一人の人物の波乱の人生が閉じられる。その人物にとっては、すべての事件が、まるで、その最後を完全にするために用意されたもの。その深い感慨とともに物語は閉じる。その余韻が読後感を支配する。
ジュリスト2016年2月、シェール開発を巡る米国内の攻防 ― 2016年05月03日 16:42
特集は、個人情報保護法とマイナンバー法改正。やや前者に重点を置いた論述。今のように世の中の変化が速い時期は、どうしても法の対応は遅れる。誰かがなんとかしてくれる、ではなく、ひとりひとりの対応が求められる時代、ということを示唆する。
興味深かったのは、連載「行政法の最前線」の「米国ニューヨーク州におけるシェールガス採掘禁止」の記事。シェールガス採掘は、経済と環境が鋭く対立する論点。米国の連邦レベルでは、どちらかというと経済優先の運営がなされている。オバマ政権の環境重視の規制のもくろみが、連邦議会では認められない。
他方、州やその下の市といった地元レベルでは、規制の動きが進み、ニューヨーク州では、水圧破砕(フラッキング)による採掘を禁じた。科学的に危険は立証されていないが、不明ならば、健康と環境保護を優先しようとするもの。逆に、テキサス州のように州が地元レベルの規制を禁じる動きもある。総じて、開発企業サイドがより上位の連邦や州のレベルで働きかけ、市民が地元レベルで抵抗する構図。
ここから見る米国は一枚岩にも見えるが、この国で起きているのと同じようにせめぎ合いがあること、その活発な働きが問題の理解の深化と、よりよい解決への道筋を立てるのに必要であることがわかる。
漢字合わせパズル、駅名あわせを更新 ― 2016年05月05日 13:40
Windowsストアアプリの「漢字合わせパズル」、「駅名あわせ」を更新し、熊本県と大分県の駅名を追加しました。時間はかかっても復旧を願うばかりです。
※Windowsストアのページ
南蛮阿房列車 ― 2016年05月15日 14:59
「臨3311に乗れ」からの流れで、阿川弘之の南蛮阿房列車。お手本の内田百閒の阿房列車のシリーズは国内の鉄旅だったが、こちらは海外版。鉄道好きで鉄道に関する蘊蓄もあるのだが、旅の先々で連想するいろいろが、あちらへ行ったりこちらに戻ってきたりと、とりとめないのが「阿房」たる所以。その点、お手本に忠実。
奥付によると、刊行は1977年。実際の旅は、昭和40年代ころだろうか。世界地図やGoogle Mapで旅程をたどりながら読み進めると、同じ鉄路を見つけてうれしくなったり、すでに無くなっているのを見つけて残念だったり。旅先で出会う人や街の様子も、今に通じるものがあるようにも、すでに変わってしまっただろうと思われるものも。フロリダに向かう列車の中での少数民族が揶揄される様子など、アメリカを訪れたとき自分の身にもあったよなあ (Japanese, Chinese, American Knees 笑) 、と思ったり。
それにしても、このくらい逞しく海外を旅できたら。旅先で話し込んで通じないもどかしさが、どうしてもやりきれない。「片言で困るのは、自分ではなくて、相手の方」と笑い飛ばす日系一世のお婆さんの話が出てくるけど、そこまで割り切れない。ここは修行するしかないのだけど。
そうそう。「山行」で登場したジャスパーやバンフのあたりの描写が出てくるが、その後の様子がわかってこれも感慨深い。
経済セミナー 2016年4・5月 ― 2016年05月16日 11:47
法律の世界では、実務と理論をカバーする専門誌として「ジュリスト」などがあるが、経済の世界ではどうなのだろう。東洋経済や日経の雑誌類は、実務というよりは情報誌。理論となると欧文の学会誌が見当たるのみ。ようやく近しいものとして見つけたのが、経済セミナー(隔月刊)。
寄稿者を見ると、春先を狙った入門的な特集のためか、大学の先生が中心。実務陣はやや手薄。「ジュリスト」的というよりは、学生向けの「法学入門」的な位置づけかもしれない。
特集の最初は、表紙にもある対談。アベノミクスの評価を中心に議論。冒頭で、近年の理論と実務の乖離を懸念。両者をつなぐ専門誌がないのは、実態を反映したもののよう。
議論の中で、第三の矢について、取り組むべき対象は、「基本的には慣行の問題」であり、当事者全員の「共有された予想」を変えることを目指すもの。女性や高齢者の雇用、正規と非正規労働、といった個々を論じても、なかなか動き出さない。というのには共感。では、これまでとは異なる考え方が主流になっていくには何をすればいいか。対談では、参院選挙後、政権が打ち出す政策に期待と締めるが、少しもの足りない。
横浜駅西口で献血 ― 2016年05月17日 16:17
朝、横浜の所要を済ませ、いつもの横浜駅西口献血ルーム。前回、改装に驚いたところ。横浜駅周辺の他の2箇所よりも受付締切時刻が早めなので、少し慌てる。
単位あたりの血小板数が多めなので、このところ続けて多めに採取をお願いされていたが、今回はふつう。関東甲信越の赤十字のサイトでは、「困っています」だったのだけど。
採血後の休憩もかねて、東口のマザーリーフに足をのばすも、女性客で満席。雨なのに。ゆっくりとお茶をしながら読書のもくろみは外れ。前回、西口地下のお店も同様だったので2連敗。株主総会では、是非訪れてみて、と言われるが、なかなかにハードルは高い。
スキマの植物図鑑 ― 2016年05月17日 19:39
アサブロを拾い読みしていて紹介されていたもの。さっそく購入。散歩道で目にする草木の何割かは、これで名前が判明。ただの雑草から、昇格。一番驚いたのは、桐。そうか、見るからに独活の大木然とした、あの大きな草は、幼木だったのか。
最近のコメント