不動産登記制度の10年とこれから2017年02月06日 14:07


ジュリスト2017年2月

●特集は、「不動産登記制度の現状と課題」。冒頭の座談会「不動産登記制度の10年とこれから」では、震災復興において、土地の権利関係が大きな問題となったことを取り上げる。

記事では、南三陸町長が、土地の権利確認問題がなければ、仮設住宅から災害復興住宅への本格的な移転があと2年は早かったであろう、と述べたことを挙げ、土地をかさ上げするための区画整理をするにあたり、権利関係の不明な土地が大きな問題であったことを示す。
・相続登記が数世代にわたりなされず、相続人が多数に分かれている。
・移転先候補に挙げられやすい高台の山林は、入会地が多く、共有者が多数いる。
いずれも、調査、同意の取得が相当に困難である。制度の改善を議論する一方、相続登記の推進を訴える。法務省はPRに努めているというが、寡聞にして聞かず。

もう一つは、関東大震災以後、人が多く住む場所での大災害が幸いにして戦後なかったためか、土地は動き、形を変えることがある、という認識が最近まで薄く、法も実務も整備が進んでいなかったという指摘。阪神・淡路大震災で顕在化し、実務の積み重ねの結果、東日本大震災や熊本地震で活かされているという。

●前号に引き続き、「裁判官に聴く」では、通常訴訟の流れに沿った実務の状況を語る。小説やドラマなどで、裁判が取り上げられることも少なくないが、日々、その姿は変化しているよう。他方、弁護士の仕事ぶりにもいろいろあることを垣間見ることができる。いい仕事をするには、段取りが大切なことは、ここでも変わらない。

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