イオン株主総会 第94期2019年05月29日 20:56


イオン株主総会 第94期

冒頭、業績のお詫びと、イオンディライト子会社の不正経理のお詫び。後者は、50億円ほど減損の見込みという。業績については、取締役と執行役の報酬カット。そのためか、会場玄関前に例年の大看板はなし。ペットボトルのお茶の配布もなし。会場後方の給茶サービスに切替。株主も経営の一翼、謹んで甘受。

配当は、イオン30周年の記念配に2円予定。

今後の方針は、岡田社長より。

・平成30年の振り返り。
世帯あたりの年間の消費支出は、360万円から340万円に減少。単身世帯の増加によるもの。
支出の内訳は、通信や医療が伸び、その他が減少。衣料は26万円が13万円に半減。食料品はやや減少。生活品はやや増加。生活品は世帯単位で生じるので、世帯数の増加が寄与。

・中計の状況。4つの軸。
1) リージョナル
2) デジタル
3) アジア
4) 投資

・リージョナル
国内のスーパーの売り上げは、コンビニ、ディスカウント、ドラッグ、Eコマースに1.1兆円流出。増加する単身世帯から見た便利さで劣る状況が続く。
進行中の人件費の増加が続けば、数年でほとんどのスーパーは、利益を出せなくなる。
イオンは、総額で1位とはいえ、地域別に見ると各地域で圧倒的な存在ではない。
マックスバリュ中部と東海の統合が、先んじて進展中。2026年には、売上規模5000億、営業利益率4%を実現できる見込み。これで、デジタルに投資できる規模感に到達する。

・デジタル
多額の投資が必要であり、資金の確保が課題。スーパー事業の収益向上、ドラッグ・金融などのいっそうの収益向上、赤字事業の収支改善、と正攻法の取り組みが必要。
Boxed(行動分析)、DeepBlue(ロボット)のベンチャー協業は進展中。新たに、EUのSIGNA Sports Unitedに出資。技量にあわせたカスタマイズや地域との交流に実店舗を用い、ECの売上を伸ばす、両者の組合せの妙に優れる。
中国にイオンデジタルマネジメントセンタを設立。デジタルシフトの拠点とする。
~国内は時間がかかるとみての判断か。

・アジアシフト
12カ国、4385店に到達。ASEANと中国は、黒字化。

平成と共にジャスコからイオンに転換。小売業は、変化対応業。お客様第一に徹し、消費者の幸せを追求していく、と締める。

以下、質疑応答から。

・イオンディライトの子会社の件。6年あまりの期間に及ぶ。イオンとしての対応を説明。

・イオンラウンジの件。岡田社長発案とのことで、岡田社長より回答。
株主数が増え、混乱が生じていることは把握している。お得意様と株主のどちらのものか、はっきりさせなければならない時期に来ている。今年中にはっきりさせる。
~ファミリーカードをフリマサイトなどに出品する例もあるらしい。

・トップバリュの商品化の考え方。
イオンの果たす義務に資すかどうかで判断している。数が出ないものであっても、アレルゲン対策品などは、必要と判断している。

・WAONの端末での引落表示。
決済前に引落金額表示がないものがあるとの指摘。現場確認すると引き取り。
~表示部にカードを置いてしまうので、レシートで確認しているのだけど。

・イオンモバイルの株主への訴求。
50万ユーザを越えたところ。一案として考えてみる。

・イオン九州とマックスバリュ九州の統合の話。
地域での統合の案件は、課題、その解決、統合後の見通し、この3つが揃うことが前提。
九州地区については、2020年3月を目処にすすめており、延期にはなっていない。

・WAONのイオンカードからのチャージにおけるポイント付与。
イオンカードからのチャージがいちばんお得であるべき、と考えてはいるが。将来課題。

・消費増税を見越して、増収増益の予測の根拠。
プロモーション効果を見込む。
海外は順調。
それでも、年の後半は厳しめに見ての予測。
~経営企画の回答に、財務が補足。

・トップバリュの製造者表示。
法律の規定を受け、2020年までに実施。併せて英語表記も実施。
トップバリュの充実により、ナショナルブランドの選択が限られるとの指摘については、お客様が自分の意思で選べる権利を重視する、と回答。

・軽減税率がイートインに適用されない点への対応。
イートインは目玉施策。付加サービスで対応したい。10月に発表予定。

・コープやパルシステムにあるような離乳食対応の冷食の開発。
検討したい。オーガニックの幼児食やデザートは、トップバリュで発売予定。

・社外取締役の株式保有。
保有すべきとの考え方を否定するものではないが、非保有をお願いしていると、岡田社長より回答。社外取締役に期待する役割は大きく3つ。
1) Police的な役割
2) 戦略が、会社のステークホルダー全般にとって妥当かの判断 ~株主だけでなく消費者や取引先、従業員なども含む趣旨のよう
3) 後継者の判断
これらのためには、会社と一緒になっての判断は望ましくない。

・非執行の取締役の役割について。
取締役会議長として、中立の立場での役割を説明。

・指名委員会の内容について。内永委員長より回答。
後継者問題、誰を事業のリーダに据えるかの議論、が中心。毎取締役会の前に開催。

・クレジットカードの請求明細の郵送の有料化について。Web閲覧環境を有しない者が、有料送付を受諾しなかった場合どうなるのか。
総額の電話問い合わせでの案内は可。
同封しているクーポンは、ATMでの発行を検討。

以上。雨のせいか、失笑を招くような質問者はなし。本来の総会の姿に近づいているか。ただし、東京オリンピックや米中問題に関する話は出ず。

最初の写真は、「大黒柱に車をつけよ」との岡田屋から受け継ぐ家訓の象徴として展示。「お客様が喜ぶ品物をお客様のもとへ届ける」という趣旨。動かしてはいけない大黒柱だって、求められれば車をつけて届ける、ということのよう。初心に立ち返るという決意とみた。

ドトールドッグカフェ

総会後、恒例の幕張新都心店。ペットモール1Fのドトールコーヒー。ドッグカフェ。店内の半数くらいは飼い犬と同伴。可愛い犬たちを目で愛でながらの一服。何度も訪れているモールだが、まだ未知の空間がある。

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