女帝の古代王権史 ― 2023年06月05日 07:05
平安文学などを読んでいて、妻問婚、が成立するような社会とはどのようなものか、疑問に思っていたが、本書でひとつの答えを得た。父系の家族・家産経営ではなく、兄弟姉妹での家族・家産経営を軸とする社会が、東南アジアから東アジアの海沿いにあり、古代日本はその流れを汲む。兄弟姉妹の経営体の女性に、夫が外から妻問婚の形で遺伝子を供給していた、と。
その後、先進の中国文化を受容するにあたり、父系の家族経営の有り様も浸透。歴史のIFのひとつとして、兄弟姉妹の家族経営を元にした社会が主流になった可能性もあったのか。そうならなかったのは、環境的に人口を維持するための出産の負担が重かったのだろう。
現代は、医療をはじめとする技術の進展で相対的に女性の負担が和らぐ。ふたたび、家族・家産経営の有り様が大きく変わりうる転換点にさしかかりつつあるのやも。
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