ジュリスト2013年10月号 競馬の払戻金の事件2013年11月05日 17:01


ジュリスト2013年10月号
ジュリスト2013年10月号、8ページ、租税判例速報。メディアでも随分騒がれた事件の評論。馬券ソフトを利用して10億以上の取引を行っていたところ、所得税を正しく申告していなかったとして訴追された刑事事件の判断。

判決文はこちら。最近の裁判所は進んだものだ。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83313&hanreiKbn=04

大阪地裁の判断は、競馬の払戻金は、一般に雑所得とされるところ、強度に連続性のある本件の行為は全体として「資産運用」にあたり、一時所得に該当すると判断した。FX取引と変わらないではないか、という趣旨の一文がある。一時所得と判断することで、外れ馬券の購入費用も必要経費になる、と導いた。勝ち馬投票券だから、と、形式的に判断するのではなく、行為の全体を見て判断するところは、日本の裁判所の判断らしいと言えばらしい。

検察は控訴したようなので、結果が確定するのはまだ先。それと、本件は刑事事件なので、租税当局とのやりとりがあれば、それとは別。立法当時想定されていなかった行為をどう判断するか、法の隙間をどう埋めるか。そういう裁判所の機能が問われている。


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