南蛮阿房列車2016年05月15日 14:59


南蛮阿房列車

臨3311に乗れ」からの流れで、阿川弘之の南蛮阿房列車。お手本の内田百閒の阿房列車のシリーズは国内の鉄旅だったが、こちらは海外版。鉄道好きで鉄道に関する蘊蓄もあるのだが、旅の先々で連想するいろいろが、あちらへ行ったりこちらに戻ってきたりと、とりとめないのが「阿房」たる所以。その点、お手本に忠実。

奥付によると、刊行は1977年。実際の旅は、昭和40年代ころだろうか。世界地図やGoogle Mapで旅程をたどりながら読み進めると、同じ鉄路を見つけてうれしくなったり、すでに無くなっているのを見つけて残念だったり。旅先で出会う人や街の様子も、今に通じるものがあるようにも、すでに変わってしまっただろうと思われるものも。フロリダに向かう列車の中での少数民族が揶揄される様子など、アメリカを訪れたとき自分の身にもあったよなあ (Japanese, Chinese, American Knees 笑) 、と思ったり。

それにしても、このくらい逞しく海外を旅できたら。旅先で話し込んで通じないもどかしさが、どうしてもやりきれない。「片言で困るのは、自分ではなくて、相手の方」と笑い飛ばす日系一世のお婆さんの話が出てくるけど、そこまで割り切れない。ここは修行するしかないのだけど。

そうそう。「山行」で登場したジャスパーやバンフのあたりの描写が出てくるが、その後の様子がわかってこれも感慨深い。

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