ルバイヤート2014年12月04日 08:12


ルバイヤート

なぜか、王書に引き続きペルシャの文学。王書よりは、少し後の時代の詩集。四行詩が、143編。ペルシア語の原典からの翻訳。リズム感のよい口語体。詩を収めるのは100ページほど。60ページほどの解説がつづく。解説は初版の1949年当時のものとみられ、イランという国が大きく変わったこともあり、古さを感じるのは少し残念。

解説によると、ペルシャはアラブの支配下に入り、上層階級はアラビア語を受け入れるが、後にペルシア復興の動きが高まると、文字や語彙をアラビア語から借りた新ペルシア語が登場し、その元で文芸が復興する。それが文学であり、数学をはじめとする科学であった。当時の学者は、文学にも科学にも通じるジェネラリストをめざしたようで、オマル・ハイヤームも数学者としても知られる。

詩は、王書でも感じた一種の無常感が広く支配する。ただし、恨みがましい感じはせず、さばさばとした印象。酒をうたうものも多く、解説は李白に通じるとも言うが、そちらは読み込んでないので、なんとも。酒でもって世の中や人生を嘆くというよりは、楽しもうという風である。

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