Mathematica Cookbook2015年01月06日 17:52

2014年末にMathematica 10へのバージョンアップのお知らせが届く。このところ年末恒例。今では、Home Editionが用意され、5,6万円くらいなので、まあ、できないこともない(業務用途での使用は不可、金額はメールでのみお知らせ)。
http://www.wolfram.com/

手持ちにあるのは、ver.4.2、2002年のCopyright。当時、研究職的な仕事をしており、ITにももっと数学を、と意気込んだもの。こちらはStandard Editionなので、今でも、手持ちで最も高価な買い物の一つ。仕事内容も変わり、その後、使うにしてもRの方がメインに。もっと使いこなさないと、と今さら奮起。

Mathematica Cookbook

手にしたのは、Mathematica Cookbook。なかなか手頃な本がない中、高機能なソフトの前で固まる人向け、とあり、共感。Amazon.comのKindle版。数式やグラフはKindle本体では見にくいので、PC版のアプリを利用(デスクトップ版)。Amazon.co.jpはPC版を提供していないが、Amazon.comはOK。なお、ストアアプリ版はリージョンの制限があるのか、導入できない。

Mathematica学習中

読書中のデスクトップ。ver.4はWindows XPまででしか動作しないので、VMware WorkstationのUnity機能を利用して、Win8.1のデスクトップに表示。これだと、Kindleやブラウザ、辞書ソフトなどと一緒に読み進められる。XP上のIMEの動作にはやや不都合があるが、目をつぶる。

本に戻る。ざっと読んだところ、ver.7くらいをベースにしている。ところどころ、それ以前のバージョンへの言及がある。著者はver.3から使い始めたらしい。Wolframの製品説明では、Mathematica言語はver.1からの互換性がある、といっているが、アドオンで提供されていた機能が標準に取り込まれるような場合、仕様変更がかなりあるので、例題を動かすのにそれなりに手間を伴う。また、ver.6、ver.7で大きな仕様追加があり、その分は実行できない。

内容は、大きく4つ。全19章。
※分類と、和訳は適当。

1)基本機能
1章「数の扱い」
2章「関数プログラミング」、対話操作するにも一応は必要。
3章「データ構造」、行列などはここ

2)数学の問題を解く
10章「代数」、方程式の解法など
11章「解析」、極限、級数、微積分、微分方程式、漸化式など
12章「統計」、基本統計量、乱数、確率分布、標本分布、回帰分析、分散分析、仮説検定など
 ver.7で大きく拡充され、Rでできることの多くができそう。

3)応用
13章「理学工学」、化学、遺伝、力学、電子回路、有限要素法など
 ver.7には分子や素粒子の基礎データも入っているのは驚き。
14章「金融工学」

4)プログラムを組む
残りの章、グラフィックやイメージ処理なども
ver.6からアニメーション機能が対話的に。ver.7から並列処理が充実。

数学や物理の本を読みながら、例題を解く、グラフを描いてみる、くらいをめざすなら、1)と2)に目を通せばよさそう。実際、このあたりを中心に読み進めた。記述は、どちらかというとTips集的な書き方なので、本体付属のヘルプをしっかり読みつつ進めることになる。

ひととおり読み終えてみて、著者の興味分野によるのか、それなりの偏りを感じる。代数の記述は弱めかな。整数論は最近の機能なのかな。複素関数はあまり見かけず。幾何はもともと少ないのか。まあ、ある程度の地図は頭の中に描けたので、この先は自修に努めることにする。